妊活中のビタミンCは必要?働き・食べ物・サプリの注意点をやさしく解説

妊活

妊活中にビタミンCを意識したい理由

ビタミンCは抗酸化で体を守る栄養素

妊活中にビタミンCが気になる人は多いです。

ビタミンCには、体の中で増えすぎた活性酸素から細胞を守る抗酸化作用があります。

活性酸素とは、体の中で自然に作られるものですが、増えすぎると細胞に負担をかけることがあります。

ストレス、睡眠不足、喫煙、飲酒、偏った食事などが続くと、酸化ストレスが気になりやすくなります。

妊活では、卵子や精子の状態、子宮環境、ホルモンバランスなどが気になりやすいため、抗酸化に関わる栄養素としてビタミンCが注目されます。

ただし、ビタミンCをとれば妊娠しやすくなる、という単純な話ではありません。

妊活は、ひとつの栄養素だけで結果が決まるものではないからです。

年齢、排卵、卵管、子宮、精子の状態、体重、睡眠、ストレス、持病など、いろいろな要素が関係します。

ビタミンCは、妊娠を決めるスイッチではなく、体を支える栄養素のひとつです。

NIHの資料では、ビタミンCはコラーゲンを作るために必要で、抗酸化物質として働き、免疫機能にも関わると説明されています。(ods.od.nih.gov)

コラーゲンは、肌だけでなく、血管や皮膚など体のさまざまな部分を支える材料になります。

そのため、ビタミンCは美容だけでなく、健康の土台にも関係しています。

妊活中は「妊娠に効くもの」を探したくなる時期です。

でも、ビタミンCは特別な魔法ではありません。

毎日の食事で不足しないようにとることで、体が本来の働きをしやすい状態を支えるものです。

期待しすぎず、でも軽く見すぎず、食生活の中で自然に取り入れていきましょう。

鉄の吸収を助けることも妊活中には大切

妊活中にビタミンCを意識したい理由は、抗酸化だけではありません。

もうひとつ大切なのが、鉄の吸収を助ける働きです。

鉄は、血液の中で酸素を運ぶために必要な栄養素です。

月経がある人は鉄を失いやすく、妊活中に貧血や鉄不足が気になる人もいます。

鉄が不足すると、疲れやすい、息切れしやすい、顔色が悪い、集中しにくいなどの不調につながることがあります。

もちろん、これらの症状がすべて鉄不足とは限りません。

ただ、妊娠を考える時期には、鉄不足を放っておかないことが大切です。

鉄には、肉や魚に多いヘム鉄と、野菜や大豆製品に多い非ヘム鉄があります。

非ヘム鉄は体に吸収されにくい特徴がありますが、ビタミンCと一緒にとることで吸収されやすくなります。

NIHの資料でも、ビタミンCは植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収を高めると説明されています。(ods.od.nih.gov)

たとえば、小松菜やほうれん草、納豆、豆腐、ひじきなどを食べるときに、ビタミンCを含む野菜や果物を合わせるとよいです。

小松菜のおひたしにみかんを添える。

納豆ごはんに野菜たっぷりの味噌汁をつける。

豆腐サラダにブロッコリーやパプリカを入れる。

このような小さな組み合わせで、食事の力を高めることができます。

妊活中は葉酸も大切です。

こども家庭庁の情報では、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性は、通常の食事に加えて、サプリメントや強化食品から葉酸を400μg/日とることが望ましいとされています。(precon.cfa.go.jp)

つまり、ビタミンCだけをがんばるのではなく、鉄、葉酸、たんぱく質、亜鉛なども一緒に考えることが大切です。

ビタミンCは、ほかの栄養を助ける縁の下の力持ちです。

妊活中にビタミンCをとる食べ物

野菜・果物・いも類から毎日少しずつとる

ビタミンCは、体の中に長くためておきにくい水溶性ビタミンです。

そのため、一度にたくさんとるより、毎日の食事でこまめにとることが大切です。

ビタミンCが多い食品には、赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、菜の花、じゃがいも、さつまいも、キウイ、いちご、みかん、柿などがあります。

果物だけでなく、野菜やいも類からもとれるのが特徴です。

「ビタミンC=レモン」というイメージを持つ人も多いですが、実はブロッコリーやパプリカ、じゃがいもなども使いやすい食品です。

妊活中の食事では、特別な食品を毎日食べ続けるより、ふだんの食卓に少しずつ入れるほうが続きます。

朝なら、ヨーグルトにキウイやいちごを足す。

昼なら、定食にブロッコリーや野菜サラダをつける。

夜なら、じゃがいも入りの味噌汁や、パプリカ入りの野菜炒めを作る。

このように1日の中で分けてとると、無理なく続けられます。

厚生労働省の食事摂取基準では、ビタミンCについて成人の推奨量が示されており、妊娠中や授乳中の基準も整理されています。(mhlw.go.jp)

数字を細かく覚える必要はありません。

まずは、毎日野菜を食べること、果物を適量とること、主食・主菜・副菜をそろえることが大切です。

果物は手軽ですが、食べすぎると糖分が多くなりやすいです。

妊活中に体重管理をしている人や血糖値が気になる人は、果物だけでビタミンCをとろうとせず、野菜やいも類も使いましょう。

また、朝食を抜いてビタミンCドリンクだけ飲むような方法はおすすめできません。

体には、ビタミンC以外にもたんぱく質、鉄、葉酸、亜鉛、カルシウム、脂質、炭水化物が必要です。

ビタミンCは、食事全体の中に自然に入れるのがいちばんです。

加熱や保存で減りやすいことを知っておく

ビタミンCは、水に溶けやすく、熱や光、空気の影響を受けやすい栄養素です。

そのため、調理や保存の仕方によって量が減ることがあります。

たとえば、野菜を細かく切って長く水にさらしたり、長時間ゆでたりすると、ビタミンCが水に出ていきやすくなります。

だからといって、生野菜だけを食べなければいけないわけではありません。

妊活中は、温かい食事や消化しやすい料理も大切です。

冷たいサラダばかりだと、体調によっては胃腸がつらく感じることもあります。

大切なのは、ビタミンCの特徴を知ったうえで、できる範囲で工夫することです。

ブロッコリーは長くゆでず、蒸すか電子レンジで短時間加熱する。

じゃがいもやさつまいもは、皮つきで加熱すると栄養が残りやすくなります。

スープや味噌汁にすれば、水に出たビタミンCも汁ごと食べられます。

野菜炒めは、加熱時間を短めにすると食感も残り、食べやすくなります。

果物は、切ってから時間がたつとビタミンCが減りやすくなります。

できれば食べる直前に切るとよいでしょう。

忙しい日は、冷凍ブロッコリーや冷凍いちごを使ってもかまいません。

冷凍食品は手抜きではありません。

妊活中は、完璧な食事を毎日作ろうとして疲れるより、続けられる方法を選ぶほうが大切です。

国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を意識することがすすめられています。(nibn.go.jp)

ビタミンCが少し減ったからといって、その食事が無意味になるわけではありません。

野菜を食べること自体に意味があります。

温かい味噌汁を飲むことにも意味があります。

神経質になりすぎず、「今日は野菜を足せた」と思えるくらいで大丈夫です。

サプリでビタミンCをとるときの注意点

多くとれば妊娠しやすくなるわけではない

ビタミンCは、サプリやドリンクで手軽にとれる栄養素です。

コンビニやドラッグストアでもよく見かけるため、妊活中に飲んでみようと思う人も多いでしょう。

水溶性ビタミンなので、余った分は尿として出やすいと言われます。

そのため、「多めに飲んでも大丈夫」と考えがちです。

しかし、サプリで高用量を長くとる場合は注意が必要です。

NIHの資料では、成人のビタミンCの耐容上限量は1日2,000mgとされています。(ods.od.nih.gov)

耐容上限量とは、毎日とり続けたときに健康問題が起こりにくいと考えられる上限の目安です。

この量を超えたらすぐ危険という意味ではありませんが、むやみに超えないように考えたい数字です。

ビタミンCを大量にとると、下痢、腹痛、吐き気、胃の不快感などが起こることがあります。

体質によっては、尿路結石が気になる人もいます。

MotherToBabyの資料でも、ビタミンCは医療者から別の指示がない限り、推奨量をとることがすすめられています。(ncbi.nlm.nih.gov)

妊活中は、妊娠している可能性がある時期があります。

そのため、自己判断で高用量サプリを飲み続けるより、必要な量を確認して使うほうが安心です。

妊活サプリ、葉酸サプリ、マルチビタミン、美容サプリを重ねている人は、成分表示を見ましょう。

それぞれにビタミンCが入っていると、知らないうちに合計量が増えることがあります。

また、胃が弱い人は、空腹時にビタミンCサプリを飲むとムカムカすることがあります。

飲むなら食後にするなど、自分の体調を見ながら使いましょう。

ビタミンCサプリは、不足が心配なときの助けにはなります。

でも、妊娠率を上げる特別な薬ではありません。

基本は食事からとり、サプリは足りない分を補うものとして考えるのが安全です。

妊活ではビタミンCだけでなく生活全体を見る

妊活中にビタミンCを意識することは、よいきっかけになります。

野菜や果物を食べる習慣につながるなら、とても前向きなことです。

しかし、妊活で本当に大切なのは、ビタミンCだけを増やすことではありません。

体は、たくさんの栄養と生活習慣が重なって動いています。

たんぱく質は、体を作る材料になります。

鉄は、血液を通して酸素を運ぶ働きに関わります。

亜鉛は、細胞づくりや生殖機能に関係します。

葉酸は、妊娠前から特に意識したいビタミンです。

ビタミンDやビタミンEも、それぞれ違う形で体を支えます。

つまり、妊活中の体づくりはチーム戦です。

ビタミンCだけが主役ではありません。

こども家庭庁のプレコンセプションケアの情報でも、葉酸は妊娠前から大切であり、主食・主菜・副菜をそろえた栄養バランスのよい食事に加えて、サプリメントなどで補助的に葉酸をとることが望まれると説明されています。(precon.cfa.go.jp)

ビタミンCを意識するなら、毎日の食事に野菜や果物を少し足すことから始めましょう。

朝にキウイを食べる。

昼にブロッコリーを足す。

夜に具だくさんの味噌汁を作る。

このくらいの小さな工夫で十分です。

反対に、食事を抜いてビタミンCサプリだけ飲む、夜更かしを続けながら高用量サプリを飲む、という方法では、体の土台は整いにくいです。

妊活では、睡眠、運動、ストレス対策、禁煙、飲酒を控えることも大切です。

そして、妊活が長引いている場合や、生理不順、強い生理痛、貧血、疲れやすさ、男性側の不安がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。

ビタミンCは、毎日の食事に取り入れやすい心強い味方です。

でも、妊娠を約束する魔法ではありません。

「今日は野菜を少し足せた」「果物をおやつにできた」という小さな積み重ねが、妊活中の体と心を支える力になります。