妊活中のラクトフェリンは必要?膣内環境・腸内環境・サプリの注意点をやさしく解説

妊活

妊活中にラクトフェリンが気になる理由

ラクトフェリンは母乳にも含まれるたんぱく質

ラクトフェリンは、母乳や涙、唾液などに含まれるたんぱく質の一種です。

名前に「ラクト」と入っているため、乳製品の成分というイメージを持つ人も多いでしょう。

実際に、ラクトフェリンは特に初乳に多く含まれる成分として知られています。

体の中では、鉄と結びつく性質があり、免疫や細菌との関係でも研究されています。

妊活中にラクトフェリンが注目されるのは、「体を守る力」や「腸内環境」「膣内環境」といった言葉と一緒に紹介されることが多いからです。

ただし、ここで大切なのは、ラクトフェリンを飲めば妊娠しやすくなる、と考えすぎないことです。

妊活は、ひとつの成分だけで結果が決まるものではありません。

年齢、排卵、卵管、子宮、精子の状態、体重、睡眠、ストレス、持病など、いろいろな要素が関係します。

ラクトフェリンは、妊娠を決めるスイッチではなく、体の状態を整える可能性が研究されている成分のひとつです。

特に、サプリとして売られているラクトフェリンは、牛由来のものが多くあります。

そのため、乳製品にアレルギーがある人や、乳由来成分で体調を崩しやすい人は注意が必要です。

また、妊活中は妊娠している可能性がある時期もあります。

排卵後から生理予定日までの間は、まだ妊娠に気づかないこともあります。

だからこそ、サプリを選ぶときは「妊娠しているかもしれない前提」で考えると安心です。

ラクトフェリンは、母乳にも関係する身近な成分ではあります。

でも、身近な成分だから必ず安全、たくさん飲めば良い、という意味ではありません。

妊活中は、期待しすぎず、自分の目的と体質に合うかを見ながら取り入れることが大切です。

膣内環境や着床との関係で研究されている

ラクトフェリンが妊活で話題になる理由のひとつに、膣内環境との関係があります。

妊活や不妊治療では、卵子や精子だけでなく、子宮や膣の環境も注目されています。

膣内には、さまざまな細菌がいます。

その中でも、ラクトバチルスという乳酸菌の仲間が多い状態は、一般的に良い環境と考えられることがあります。

反対に、ラクトバチルスが少なく、ほかの菌が多い状態では、細菌性膣症や子宮内の炎症などとの関係が研究されています。

ラクトフェリンは、この膣内や子宮内の細菌バランスに関わる可能性があるとして研究されています。

たとえば、反復着床不全のある不妊女性を対象にした2022年の研究では、ラクトバチルス優位ではない膣分泌液や子宮内膜液の細菌叢を持つ人に、腸溶性ラクトフェリンを1日700mg、28日以上投与したパイロット研究が行われました。

その結果、対象者の一部で細菌叢の改善が見られ、改善した人ではその後の凍結融解胚移植周期の出生率が高かったと報告されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ただし、この研究はパイロット研究です。

つまり、今後さらに大きく、しっかりした研究で確認する必要があります。

「ラクトフェリンを飲めば着床する」と言える段階ではありません。

また、現在も不妊症を伴う細菌性膣症の人を対象に、ラクトフェリンやケストース配合サプリの効果と安全性を調べる臨床研究が行われています。(jrct.mhlw.go.jp)

このことからも、妊活とラクトフェリンの関係は、まさに研究が進んでいる途中だとわかります。

不妊治療中の人がラクトフェリンを考える場合は、自己判断で始めるより、主治医に相談することが大切です。

特に、膣内フローラ検査、子宮内フローラ検査、慢性子宮内膜炎の検査を受けている人は、治療方針の中で考えるほうが安心です。

ラクトフェリンを取り入れる方法

食品やサプリでとる前に目的をはっきりさせる

ラクトフェリンを妊活中に取り入れたいと思ったら、まず「何のために飲みたいのか」をはっきりさせることが大切です。

なんとなく妊活に良さそうだから飲むのか。

腸内環境を整えたいのか。

膣内フローラが気になるのか。

不妊治療中に医師から話を聞いたのか。

目的によって、考え方は変わります。

ラクトフェリンは、ヨーグルトや乳製品に配合されている商品もありますが、妊活目的でよく見かけるのはサプリです。

サプリには、ラクトフェリン単体のものもあれば、乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖、葉酸、鉄などが一緒に入ったものもあります。

便利に見えますが、成分が多いほど、自分に合わないものが入っている可能性もあります。

乳由来成分が苦手な人や、アレルギーがある人は、必ず原材料表示を確認しましょう。

また、妊活サプリをすでに飲んでいる人は、葉酸や鉄などが重複していないかを見ることも大切です。

妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、神経管閉鎖障害のリスク低減のため、通常の食品以外から葉酸を1日400μgとることが望ましいとされています。(mhlw.go.jp)

ラクトフェリンを選ぶときも、葉酸などの基本栄養をおろそかにしないことが大切です。

また、海外製サプリや個人輸入品は、成分量や品質がわかりにくい場合があります。

「高配合」「妊活におすすめ」「着床サポート」などの言葉だけで選ぶのは注意が必要です。

ラクトフェリンは薬ではありません。

病気を治したり、妊娠を約束したりするものではありません。

妊活中に使うなら、目的を決め、成分表示を見て、体調の変化に注意しながら取り入れましょう。

不妊治療中の人は、治療の邪魔にならないかも含めて、医師や薬剤師に相談すると安心です。

乳酸菌や食物繊維と一緒に腸内環境を考える

ラクトフェリンを考えるとき、腸内環境もよく話題になります。

腸は、食べ物を消化し、栄養を吸収する大切な場所です。

お腹の調子が悪いと、便秘、下痢、張り、不快感などが起こり、気分まで重くなることがあります。

妊活中は、基礎体温、排卵日、通院、検査結果などで心が疲れやすい時期です。

その中で、お腹の調子を整えることは、毎日を少し楽にする助けになります。

ただし、腸内環境はラクトフェリンだけで決まるものではありません。

乳酸菌やビフィズス菌を含む食品、食物繊維を含む食品、水分、睡眠、運動などが関係します。

ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品を食べる。

野菜、きのこ、海藻、豆類、いも類を増やす。

水分をこまめにとる。

軽く歩く。

こうした基本も大切です。

国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から健康なからだづくりを始め、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を意識することがすすめられています。(nibn.go.jp)

つまり、ラクトフェリンのサプリだけを飲んでいても、食事が菓子パンだけ、野菜がほとんどない、夜更かしが続く、という生活では、体の土台は整いにくいです。

腸内環境を考えるなら、まず毎日の食事の形を見直しましょう。

朝は、納豆ごはんと味噌汁。

昼は、肉や魚の定食に野菜を足す。

夜は、豆腐や魚と野菜たっぷりのスープ。

このような食事に、必要ならラクトフェリンや乳酸菌サプリを足すくらいが自然です。

また、便秘が長く続く、腹痛がある、下痢をくり返す、血便があるなどの場合は、サプリで様子を見るより医療機関に相談しましょう。

妊活中の腸活は、流行の成分を追いかけることではありません。

食べる、出す、眠る、動くという基本を整えることです。

妊活中に気をつけたいこと

サプリは安全性と成分表示を確認する

妊活中にラクトフェリンサプリを使う場合は、安全性と成分表示をよく確認しましょう。

ラクトフェリンは食品成分として使われることがありますが、サプリは食品よりも一度に多い量をとることがあります。

そのため、「食品由来だから絶対に安全」と考えるのは避けたほうがよいです。

特に、妊活中は妊娠している可能性がある時期があります。

排卵後から生理予定日までの間は、妊娠にまだ気づいていないこともあります。

サプリを選ぶときは、妊娠しているかもしれない前提で考えると安心です。

まず確認したいのは、原材料です。

ラクトフェリンは牛乳由来のものが多いため、乳アレルギーがある人は避ける必要があります。

過去に乳製品でじんましん、かゆみ、腹痛、下痢、息苦しさなどが出たことがある人は、自己判断で飲まないでください。

次に、1日あたりの量を確認しましょう。

商品によって、ラクトフェリンの配合量は違います。

また、乳酸菌、オリゴ糖、鉄、葉酸、ビタミンDなどが一緒に入っている商品もあります。

すでに妊活サプリやマルチビタミンを飲んでいる人は、同じ栄養素が重なっていないか注意しましょう。

現在行われている不妊症と細菌性膣症に関する臨床研究でも、ウシラクトフェリンやケストースへの過敏症がある人は対象外とされています。(jrct.mhlw.go.jp)

これは、ラクトフェリンが誰にでも合うわけではないことを考えるうえで参考になります。

また、海外製品や個人輸入品は、成分量、品質、表示がわかりにくいことがあります。

妊活中は、強い効果をうたう商品ほど慎重に見たほうがよいです。

不妊治療中の人、薬を飲んでいる人、持病がある人、妊娠の可能性がある人は、始める前に医師や薬剤師に相談しましょう。

ラクトフェリンは、妊活を支える可能性が研究されている成分です。

でも、飲み方を間違えないことが大切です。

妊活ではラクトフェリンだけでなく生活全体を整える

ラクトフェリンは、妊活中に気になる成分のひとつです。

膣内環境や腸内環境との関係で研究されているため、気になって調べる人も多いでしょう。

しかし、妊活で本当に大切なのは、ラクトフェリンだけを飲むことではありません。

体は、たくさんの栄養と生活習慣が重なって働いています。

たんぱく質は、体を作る材料になります。

鉄は、血液を通して酸素を運ぶ働きに関わります。

亜鉛は、細胞づくりや生殖機能に関係します。

葉酸は、妊娠前から特に意識したいビタミンです。

ビタミンD、ビタミンC、ビタミンEも、それぞれ違う形で体を支えます。

ラクトフェリンを飲んでいても、朝食を抜く、夜更かしをする、強いストレスをためる、喫煙する、飲酒量が多い、という生活が続けば、体の土台は整いにくいです。

妊活中の食事は、主食、主菜、副菜をそろえることが基本です。

主食は、ごはん、パン、麺などです。

主菜は、肉、魚、卵、大豆製品などです。

副菜は、野菜、きのこ、海藻などです。

ここに、果物や乳製品、発酵食品を無理なく足すと、栄養の幅が広がります。

国立健康・栄養研究所の食生活指針でも、妊娠前から健康なからだづくりを始め、食事バランスを整えることが大切だとされています。(nibn.go.jp)

また、妊活が長引いている場合は、サプリだけで何とかしようとしないことも大切です。

生理不順、強い生理痛、排卵の不安、子宮内膜症、慢性子宮内膜炎、膣内フローラの乱れ、男性側の精子の不安など、検査でわかることがあります。

ラクトフェリンは、研究中の可能性を持つ成分です。

でも、妊娠を約束する魔法ではありません。

食事、睡眠、運動、医療相談を組み合わせながら、自分の体に合う形で無理なく整えていきましょう。