妊活中にアーモンドミルクが気になる理由
「ビタミンEが多い」だけで期待しすぎない
妊活中にアーモンドミルクが注目される理由のひとつは、アーモンドにビタミンEが含まれていることです。
ビタミンEは体の中で酸化をおさえる働きがある栄養素として知られています。
そのため、「妊活に良さそう」と感じる人が多いのも自然なことです。
ただし、ここで大切なのは、アーモンドミルクを飲めば妊娠しやすくなる、と考えすぎないことです。
妊活は、ひとつの食品だけで結果が決まるものではありません。
体重、睡眠、ストレス、年齢、病気の有無、パートナー側の健康状態など、いろいろな要素が関係します。
アーモンドミルクは、あくまで毎日の食生活を少し整えるための選択肢のひとつです。
たとえば市販の無糖アーモンドミルクには、200mlあたりビタミンEが10.0mg含まれる商品もありますが、商品によって栄養成分は変わります(グリコ)。
つまり、「アーモンドミルクなら何でも同じ」ではありません。
買うときは、パッケージの栄養成分表示を見ることが大事です。
また、妊娠を考えている女性にとって特に重要な栄養素として、葉酸があります。
厚生労働省の資料では、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性は、食事に加えてサプリメントなどで1日400μgの葉酸をとることが望ましいとされています(金融庁)。
アーモンドミルクだけで葉酸対策ができるわけではないので、葉酸、鉄、たんぱく質、カルシウムなどを広く見ることが必要です。
アーモンドミルクは「妊活の主役」ではなく、「食生活を助ける脇役」と考えると、無理なく取り入れやすくなります。
牛乳・豆乳との違いを知って選ぶ
アーモンドミルクは名前に「ミルク」とついていますが、牛乳とは別の飲み物です。
アーモンドを水などと合わせて作る植物性の飲料なので、乳製品が苦手な人でも飲みやすい場合があります。
ただし、牛乳の代わりにすれば栄養が全部同じになる、というわけではありません。
牛乳にはたんぱく質やカルシウムが含まれています。
豆乳には大豆由来のたんぱく質が含まれています。
一方で、アーモンドミルクは商品にもよりますが、たんぱく質が少なめのものが多いです。
たとえば無糖タイプの市販品では、200mlあたりのたんぱく質が1.0gの商品があります(グリコ)。
そのため、朝食をアーモンドミルクだけで済ませてしまうと、たんぱく質が足りにくくなることがあります。
妊活中は、卵、魚、肉、大豆製品、乳製品などから、体を作る材料になるたんぱく質をしっかりとることも大切です。
アーモンドミルクを飲むなら、ゆで卵、ヨーグルト、納豆、豆腐、ツナ、鶏むね肉などを一緒に食べると、栄養のバランスが取りやすくなります。
また、豆乳には大豆イソフラボンが含まれるため、豆乳とアーモンドミルクで迷う人もいます。
どちらが絶対に妊活に良い、とは言い切れません。
大切なのは、自分の体に合い、続けやすく、食事全体のバランスを崩さないことです。
味が好きならアーモンドミルク、料理に使いやすいなら豆乳、たんぱく質をとりたいなら牛乳や豆乳、というように目的で選ぶと迷いにくくなります。
アーモンドミルクは、牛乳や豆乳の完全な代わりではなく、選択肢を増やしてくれる飲み物と考えるのがおすすめです。
妊活中のアーモンドミルクの上手な飲み方
無糖タイプを選ぶのが基本
妊活中にアーモンドミルクを飲むなら、まず選びたいのは無糖タイプです。
甘いタイプは飲みやすい反面、砂糖が多く入っていることがあります。
毎日飲むものに糖分が多いと、知らないうちにカロリーをとりすぎることがあります。
体重管理をしたい人や、血糖値が気になる人は特に注意したいところです。
市販の無糖アーモンドミルクでは、200mlあたり39kcal、糖類0.36gの商品もあります(グリコ)。
ただし、これは一例であり、すべての商品が同じではありません。
「砂糖不使用」「無糖」と書かれていても、添加されている栄養素や食物繊維、食塩相当量は商品ごとに違います。
買う前に見るポイントは、エネルギー、糖質、糖類、たんぱく質、カルシウム、ビタミンE、食塩相当量です。
特に、朝のカフェラテ風にして飲む人は、コーヒーのカフェイン量にも気をつけましょう。
厚生労働省は、妊婦や授乳中の女性、妊娠を予定している女性はカフェインの影響が大きいとして、海外機関の目安として1日300mgまでという情報を紹介しています(厚生労働省)。
つまり、アーモンドミルク自体よりも、一緒に入れるコーヒーや紅茶の量が問題になることもあります。
夜に飲むなら、ノンカフェインの麦茶、ルイボスティー、カフェインレスコーヒーと合わせると安心感があります。
甘さがほしいときは、砂糖をたくさん入れるより、バナナやきな粉と合わせてスムージーにする方法もあります。
ただし、果物も食べすぎれば糖分が増えるので、コップ1杯を目安にしましょう。
「体に良いからたくさん飲む」ではなく、「毎日の食事に無理なく足す」という考え方が、妊活中には続けやすいです。
食事全体で足りない栄養を見直す
アーモンドミルクを飲むかどうかより大切なのは、食事全体で栄養が足りているかを見ることです。
妊活中は、体を冷やさない食べ物や特別な飲み物に目が向きやすいですが、基本は毎日の食事です。
主食、主菜、副菜をそろえるだけでも、栄養の偏りはかなり減らせます。
主食はごはん、パン、麺などです。
主菜は魚、肉、卵、大豆製品などです。
副菜は野菜、きのこ、海藻などです。
ここにアーモンドミルクを足すなら、朝食や間食に使うのが取り入れやすいです。
たとえば、朝にオートミールをアーモンドミルクで煮て、卵やヨーグルトを添えると、軽くても栄養を取りやすい食事になります。
バナナ、冷凍ベリー、無糖アーモンドミルクを混ぜたスムージーに、ゆで卵を足すのも良い組み合わせです。
ただし、アーモンドミルクだけでは鉄や葉酸、たんぱく質を十分に補うのは難しいです。
妊娠を計画している女性には、神経管閉鎖障害のリスク低減のために付加的な葉酸摂取が望まれるとされています(金融庁)。
葉酸は、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちごなどにも含まれます。
鉄は、赤身肉、魚、あさり、レバー、小松菜、大豆製品などからとれます。
ただし、レバーはビタミンAも多いため、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は食べすぎに注意が必要です。
不安がある場合は、自己判断で大量に食べるより、医師や管理栄養士に相談するほうが安心です。
アーモンドミルクは便利ですが、栄養の穴を全部ふさいでくれる魔法の飲み物ではありません。
「足す」より先に、「抜けているものを見つける」ことが、妊活中の食事では大切です。
気をつけたいポイント
アーモンドアレルギーと飲みすぎに注意
アーモンドミルクでまず気をつけたいのは、アーモンドアレルギーです。
アーモンドはナッツ類のひとつなので、体に合わない人がいます。
飲んだあとに口の中がかゆい、じんましんが出る、息苦しい、気分が悪いなどの症状が出た場合は、すぐに飲むのをやめて医療機関に相談してください。
市販品の原材料表示にも、アレルギー物質としてアーモンドが記載されています(グリコ)。
また、体に良さそうだからといって、何杯も飲む必要はありません。
無糖タイプでも、商品によっては食塩や添加された栄養素が含まれています。
1日に何本も飲むと、食事全体のバランスが崩れることがあります。
目安としては、まずは1日コップ1杯くらいからで十分です。
食事がとれていないのにアーモンドミルクだけを増やしても、妊活向きの体づくりにはつながりにくいです。
また、アーモンドやナッツを強くローストした食品では、調理によってできる成分が気になる場合もあります。
食品中のアクリルアミドについて、FDAは特定の食品だけを避けるより、野菜、果物、全粒穀物、低脂肪の乳製品、豆類、卵、ナッツなどを含む健康的な食事全体をすすめています(U.S. Food and Drug Administration)。
つまり、何かを完全に悪者にするより、いろいろな食品を偏らず食べることが大事です。
アーモンドミルクも同じです。
毎日飲んでもよい人はいますが、飲めば飲むほど良いわけではありません。
体調や持病、アレルギー、妊娠の可能性があるかどうかによって、合う飲み方は変わります。
心配がある人は、かかりつけ医に相談しながら取り入れると安心です。
妊活中に本当に大事な生活習慣
妊活中は、「これを食べれば大丈夫」という情報に心が動きやすい時期です。
けれど、本当に大切なのは、特別な食品を探すことだけではありません。
食事、睡眠、運動、ストレス対策、禁煙、飲酒を控えること、そして必要に応じて早めに医療機関へ相談することです。
厚生労働省の情報では、女性の喫煙は早産、低出生体重、胎児発育遅延などとの関係が指摘されています(健康日本21アクション支援システム)。
妊活中からたばこを避けることは、自分の体だけでなく、将来の赤ちゃんを守ることにもつながります。
飲酒についても、妊娠した可能性がある時期には特に注意が必要です。
妊娠に気づく前から体の中では変化が始まっているため、「妊娠がわかってから気をつける」より、妊活中から少しずつ整えるほうが安心です。
アーモンドミルクは、そんな生活づくりの中で、甘い飲み物の代わりにしたり、朝食を整えたりする助けになります。
たとえば、砂糖入りのカフェドリンクを毎日飲んでいた人が、無糖アーモンドミルクとカフェインレスコーヒーに変えるだけでも、生活は少し変わります。
夜ふかしをしながら健康食品を増やすより、早く寝て、朝ごはんを食べて、軽く歩くほうが体にとっては大きな支えになることもあります。
妊活は、がんばりすぎると心が疲れます。
だからこそ、アーモンドミルクを取り入れるなら、「自分を追い込むため」ではなく、「毎日を少し楽に整えるため」に使ってください。
温めて飲む、料理に使う、スムージーにするなど、自分が続けやすい形でかまいません。
小さな習慣を重ねることが、妊活中の体と心を支える土台になります。
