妊活中にたんぽぽ茶が気になる理由
「妊活に良い」と言われる理由を整理する
たんぽぽ茶は、妊活中の人に人気があるお茶のひとつです。
「体を温めそう」「母乳に良さそう」「ノンカフェインで安心そう」というイメージを持つ人も多いでしょう。
たんぽぽ茶は、たんぽぽの根を焙煎して作られることが多く、コーヒーに似た香ばしさがあるため、「たんぽぽコーヒー」と呼ばれることもあります。
ただし、妊活中に大切なのは、イメージだけで判断しないことです。
たんぽぽ茶を飲めば妊娠しやすくなる、排卵が整う、子宮の状態が良くなる、といった効果をはっきり証明する十分な根拠はありません。
米国の国立補完統合衛生センターも、たんぽぽについて、食品に含まれる量を超えて使う場合、妊娠中や授乳中の安全性はよくわかっていないと説明しています。(NCCIH)
つまり、たんぽぽ茶は「妊活の決め手」ではなく、「飲み物の選択肢」のひとつとして考えるのが自然です。
妊活では、ひとつの食品や飲み物に期待を集めすぎると、かえって不安が強くなることがあります。
今日は飲めなかったからダメ、飲んだから大丈夫、という考え方になると、心が疲れてしまいます。
たんぽぽ茶は、リラックスタイムに飲む温かいお茶として取り入れるくらいがちょうどよいです。
温かい飲み物をゆっくり飲むと、気持ちが落ち着きやすくなります。
妊活中は、体だけでなく心の緊張もたまりやすい時期です。
だからこそ、たんぽぽ茶は「妊娠するための特別な薬」ではなく、「自分をほっとさせる習慣」として使うほうが、無理なく続けられます。
カフェインを控えたい人の飲み物として考える
妊活中にたんぽぽ茶を選ぶ理由として多いのが、カフェインを控えたいというものです。
コーヒーや紅茶が好きだけれど、妊娠を考えると飲みすぎが気になる、という人は少なくありません。
その点、たんぽぽ茶はノンカフェインの商品が多く、夜でも飲みやすいのが魅力です。
香ばしい味の商品なら、コーヒーの代わりとして使いやすいこともあります。
厚生労働省は、妊婦や妊娠を予定している女性に対して、カフェインの過剰摂取に注意するよう情報提供しています。(読みもの 調べもの)
そのため、毎日何杯もコーヒーを飲んでいる人が、一部をたんぽぽ茶に置き換えるのは、生活を整える工夫としては悪くありません。
たとえば、朝は好きなコーヒーを1杯飲み、午後や夜はたんぽぽ茶にするという方法です。
完全にやめようとするとストレスになる人もいます。
妊活中は、ストレスを増やすより、続けやすい形に変えることが大切です。
ただし、ノンカフェインだから何杯でも安全、とは考えないほうがよいです。
ハーブや植物由来のお茶は、種類によって体への働きが違います。
国立健康・栄養研究所の「妊娠中のハーブやカフェイン」に関する情報でも、妊娠中はハーブやカフェインについて注意して考える必要があることが示されています。(「 健康食品 」の安全性・有効性情報 –)
たんぽぽ茶も、濃く煮出したものを大量に飲むより、普通の濃さで1日1〜2杯程度から試すほうが安心です。
飲んでお腹がゆるくなる、気持ち悪くなる、かゆみが出るなどの変化があれば、無理に続けないでください。
カフェイン対策としては便利ですが、体に合うかどうかを見ながら取り入れることが大切です。
たんぽぽ茶の上手な取り入れ方
飲む量は「毎日少し」が基本
たんぽぽ茶を妊活中に飲むなら、まずは「少しずつ」が基本です。
健康に良さそうなお茶ほど、毎日たくさん飲みたくなるかもしれません。
しかし、妊活中は体の変化に気づきやすい時期でもあります。
新しい飲み物を急に何杯も増やすと、胃腸の調子が変わったときに原因がわかりにくくなります。
最初は1日1杯くらいから始めるとよいでしょう。
飲むタイミングは、朝食後、午後の休憩、夜のリラックスタイムなど、自分が続けやすい時間で大丈夫です。
おすすめは、夜に温かくして飲むことです。
妊活中は、検索をしすぎたり、基礎体温や検査結果が気になったりして、気持ちが落ち着かない日があります。
そんなとき、温かいお茶をゆっくり飲む時間は、気持ちを切り替える合図になります。
ただし、たんぽぽ茶そのものに妊娠を直接助ける確かな効果を期待しすぎないことが大切です。
妊活で本当に大事なのは、食事、睡眠、体重管理、ストレス対策、禁煙、必要な検査や治療です。
国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から健康な体づくりをすることの大切さが示されています。(国立研究開発法人日本生物資源研究所)
たんぽぽ茶を飲むこと自体が悪いわけではありません。
でも、朝食を抜いてたんぽぽ茶だけ飲む、食事を減らしてお茶で満足する、という使い方はおすすめできません。
妊活中の体には、たんぱく質、鉄、葉酸、亜鉛、ビタミン、炭水化物、脂質など、いろいろな栄養が必要です。
たんぽぽ茶は栄養補給の主役ではなく、水分補給とリラックスのための脇役です。
毎日少し、心地よく飲める量を見つけることが、いちばん続けやすい取り入れ方です。
選ぶときは原材料と添加物を確認する
たんぽぽ茶を選ぶときは、パッケージの表だけでなく、裏の原材料表示を見ることが大切です。
商品によっては、たんぽぽ根だけでなく、黒豆、ごぼう、玄米、ルイボス、ハトムギ、甘味料などが入っていることがあります。
ブレンド茶は味が飲みやすい反面、何が入っているかを確認しないと、自分に合わない成分まで飲んでしまう可能性があります。
特に妊娠の可能性がある時期は、ハーブや植物素材を「自然だから安全」と決めつけないことが大切です。
妊娠中のハーブティーについては、種類によって注意が必要なものがあり、大量に飲むのは避けたほうがよいとされています。(読みもの 調べもの)
妊活中は、まだ妊娠に気づいていない時期があるかもしれません。
だからこそ、妊娠してから急に気をつけるのではなく、妊活中から慎重に選ぶと安心です。
選ぶときのポイントは、原材料がシンプルなもの、ノンカフェインと明記されているもの、飲み方や注意書きがわかりやすいものです。
「妊活専用」「女性におすすめ」「めぐりをサポート」などの言葉だけで選ぶのではなく、実際に何が入っているかを見る習慣をつけましょう。
また、海外製品や個人輸入品は、日本語の表示が不十分な場合があります。
成分量がわかりにくいものや、強い効能をうたうものは避けたほうが無難です。
薬を飲んでいる人、持病がある人、アレルギー体質の人は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。
たんぽぽはキク科の植物なので、キク科植物にアレルギーがある人は注意が必要です。
体に良いものを選ぶつもりが、体に合わなければ逆効果になります。
妊活中の飲み物選びは、「人気があるか」より「自分に合うか」を基準にしましょう。
妊活中に気をつけたいこと
妊娠の可能性がある時期は安全性を重視する
妊活中は、毎月どこかの時点で妊娠している可能性があります。
生理予定日前は、まだ検査薬でわからないこともあります。
そのため、妊活中の飲み物は「妊娠していない前提」ではなく、「妊娠しているかもしれない前提」で考えると安心です。
たんぽぽ茶は食品として一般的に飲まれることがありますが、濃縮エキスやサプリのように多くとる場合は話が変わります。
米国の国立補完統合衛生センターは、たんぽぽを食品に含まれる量を超えて使う場合、妊娠中や授乳中の安全性についてはほとんどわかっていないとしています。(NCCIH)
これは、「少量のお茶を絶対に飲んではいけない」という意味ではありません。
一方で、「妊活によいから濃くしてたくさん飲もう」「エキスを追加しよう」と考えるのは慎重になったほうがよい、ということです。
また、たんぽぽには体内の水分や薬の働きと関係する可能性が指摘されることがあります。
利尿薬、血糖値に関係する薬、リチウムなどを使っている人は、医師の管理のもとで考える必要があるとする情報もあります。(EBSCO)
妊活中は、葉酸サプリ、鉄剤、漢方薬、病院で処方された薬などを使っている人もいます。
そこに自己判断で植物エキスやハーブを増やすと、思わぬ飲み合わせが起こる可能性があります。
安全に飲むためには、普通のお茶として薄めに飲む、量を増やしすぎない、体調に変化があればやめる、薬を飲んでいる場合は相談する、という姿勢が大切です。
妊活では、がんばりたい気持ちが強いほど、いろいろ試したくなります。
でも、未来の赤ちゃんを考える時期だからこそ、「効きそう」より「安全そう」を優先しましょう。
たんぽぽ茶より大切な妊活の土台
たんぽぽ茶は、妊活中のリラックスやカフェイン対策には役立つことがあります。
でも、妊活の中心に置くべきものではありません。
本当に大切なのは、毎日の生活の土台です。
まず食事です。
妊娠前から栄養が不足していると、体づくりに影響することがあります。
妊産婦のための食生活指針では、若い女性のやせやエネルギー不足、野菜摂取量の少なさなどが課題として示されています。(金融庁)
妊活中は、体を細くすることより、必要な栄養をしっかり入れることが大事です。
ごはんなどの主食、肉や魚や卵や大豆製品などの主菜、野菜やきのこや海藻などの副菜をそろえるだけでも、体の土台は整いやすくなります。
次に睡眠です。
夜ふかしが続くと、疲れが抜けにくくなり、気持ちも不安定になりやすくなります。
スマホで妊活情報を調べ続けて眠れなくなる日があるなら、夜のたんぽぽ茶を「検索を終える合図」にするのもよい方法です。
さらに、適度な運動も大切です。
激しい運動を始める必要はありません。
散歩やストレッチなど、体が気持ちよいと感じる動きで十分です。
そして、妊活が長引いている場合や、生理不順、強い生理痛、排卵の不安、男性側の不安がある場合は、早めに医療機関へ相談することも大切です。
たんぽぽ茶を飲むことは、妊活中の小さな工夫です。
けれど、妊娠に向けた体づくりは、ひとつのお茶だけで完成するものではありません。
温かいたんぽぽ茶を飲みながら、自分の体を責めるのではなく、今日できた小さなことを認めてあげてください。
その積み重ねが、妊活中の心と体を支える力になります。
