自律神経失調症が辛いあなたへ|「気のせい」ではなく体と心からのサインです

自律神経失調症

「自律神経失調症が辛い」
「検査では異常がないと言われたのに、体調がずっと悪い」
「周りに理解されず、怠けていると思われそうで苦しい」
「いつ治るのかわからなくて不安になる」

このように感じている方は少なくありません。

自律神経失調症の辛さは、見た目ではわかりにくいことが多いです。熱があるわけでも、ケガをしているわけでもない。検査をしても大きな異常が見つからないこともあります。

それでも、本人にとっては本当に辛いものです。

朝起きるだけでしんどい。
少し動いただけで疲れる。
動悸や息苦しさが怖い。
めまいやふらつきで外出が不安。
眠れないのに、昼間もだるい。
胃腸の調子が悪く、食事も楽しめない。

こうした不調が続くと、「自分の体はどうなってしまったのだろう」と不安になるのは当然です。

自律神経失調症が辛い理由

自律神経は、心臓の動き、呼吸、体温、血圧、胃腸の働き、発汗、睡眠などを自動的に調整している神経です。

このバランスが乱れると、体のあちこちに不調が出やすくなります。厚生労働省の「こころの耳」でも、自律神経のバランスが崩れていると感じることによる不調として、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸などが挙げられています。(kokoro.mhlw.go.jp)

自律神経失調症が辛いのは、症状がひとつだけではないからです。

頭が重い。
胸がドキドキする。
息がしにくい。
胃がムカムカする。
手足が冷える。
汗が出る。
眠れない。
体がだるい。
気分が落ち込む。
不安が強くなる。

このように、症状がいくつも重なります。

しかも、日によって症状が変わることもあります。昨日は動けたのに、今日は起き上がるだけで辛い。朝は最悪だったのに、夕方になると少し楽になる。天気や気温差、疲れ、ストレスで急に悪化する。

この波があることも、自律神経失調症の辛さです。

「検査で異常なし」でも辛いものは辛い

自律神経失調症でよくあるのが、病院で検査をしても「異常なし」と言われることです。

もちろん、命に関わる病気が見つからなかったことは大切なことです。

しかし、本人の辛さがなくなるわけではありません。

「異常なし」と言われると、安心する一方で、
「では、この辛さは何なの?」
「気のせいということ?」
「誰にもわかってもらえない」
と孤独を感じることがあります。

でも、検査で異常がないからといって、辛さが嘘になるわけではありません。

厚生労働省の「こころの耳」では、ストレス反応には心理面、身体面、行動面があり、身体面では頭痛、肩こり、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などが現れることがあると説明されています。こうした症状が長く続く場合は、過剰なストレス状態のサインかもしれないともされています。(kokoro.mhlw.go.jp)

つまり、体に異常が見つからなくても、心身に負担がかかっている可能性はあります。

自律神経失調症で特に辛い症状

自律神経失調症で辛いと感じやすい症状には、次のようなものがあります。

・朝起きられない
・一日中だるい
・めまい、ふらつきがある
・動悸がする
・息苦しい
・頭痛や頭重感がある
・胃が重い、吐き気がある
・下痢や便秘をくり返す
・手足が冷える
・汗をかきやすい
・眠れない
・眠っても疲れが取れない
・不安感が強い
・気分が落ち込む
・外出が怖くなる

これらの症状は、ひとつひとつでも辛いものです。

それが毎日のように続くと、生活そのものが重く感じられます。

仕事に行くのが辛い。
家事ができない。
人と会うのがしんどい。
予定を入れるのが怖い。
外出先で具合が悪くなったらどうしようと不安になる。

こうして行動範囲が狭くなると、さらに気持ちも落ち込みやすくなります。

辛い時に「頑張ろう」としすぎない

自律神経失調症が辛い時、多くの人が自分を責めてしまいます。

「もっと頑張らないと」
「周りに迷惑をかけている」
「こんなことで休んではいけない」
「気持ちが弱いだけかもしれない」

でも、辛い時に必要なのは、さらに頑張ることではありません。

まず必要なのは、体と心にかかっている負担を減らすことです。

自律神経の不調は、睡眠不足、過労、ストレス、生活リズムの乱れ、気温差、ホルモンバランスの変化など、さまざまな要因が重なって起こることがあります。

そのため、「気合いで治す」よりも、「回復しやすい環境を整える」ことが大切です。

今日は無理をしない。
予定を減らす。
早めに休む。
人に頼る。
体調が悪い日は外出を控える。
スマホや情報を見すぎない。
カフェインやアルコールを控える。
ぬるめのお風呂に入る。
少しだけ散歩する。

小さな調整でいいのです。

大切なのは、「いつもの自分に戻ろう」と焦ることではなく、「今の自分が少し楽になる選択」をすることです。

理解されない辛さも大きい

自律神経失調症の辛さは、症状そのものだけではありません。

周りに理解されにくいことも大きな苦しみです。

「見た目は元気そう」
「気にしすぎじゃない?」
「運動不足では?」
「もっと前向きに考えたら?」
「病院で異常がないなら大丈夫でしょ」

こう言われると、さらに傷ついてしまいます。

本人は怠けているわけではありません。
大げさに言っているわけでもありません。
本当に体がしんどく、普通に生活するだけで精一杯の日もあります。

自律神経失調症が辛い時は、すべての人にわかってもらおうとしなくて大丈夫です。

まずは、ひとりでもいいので、安心して話せる人を見つけることが大切です。

家族、友人、職場の信頼できる人、医師、カウンセラーなど、「否定せずに聞いてくれる人」に話すだけでも、心の負担は少し軽くなります。

うつ病や不安障害が隠れていることもある

自律神経失調症だと思っていても、実はうつ病や不安障害、パニック障害などが関係している場合もあります。

厚生労働省は、うつ病では悲しく憂うつな気分が続く、これまで好きだったことに興味がわかない、眠れない、疲れやすい、自分に価値がないように思える、集中力がなくなる、死にたい・消えてしまいたいと思うなどの症状が2週間以上続く場合、専門家への相談をすすめています。(mhlw.go.jp)

また、不安障害では、不安が過度になり日常生活に影響が出ることがあり、パニック発作では動悸、息苦しさ、めまい、胸の苦しさなどが突然現れることがあります。(mhlw.go.jp)

自律神経失調症のような体の不調が続いている時は、体だけでなく、心の状態も一緒に見ることが大切です。

受診を考えた方がいいサイン

次のような状態がある場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

・動悸や息苦しさが続く
・めまいやふらつきで外出が難しい
・眠れない日が続いている
・食欲が落ちている
・仕事や家事に支障が出ている
・不安が強く、外出が怖い
・気分の落ち込みが続いている
・何をしても楽しくない
・朝起きるのが極端に辛い
・消えてしまいたいと思う
・胸の痛みや強い息苦しさがある

まずは内科で体の病気がないか確認することも大切です。

検査で大きな異常がないのに症状が続く場合や、不安、落ち込み、不眠が強い場合は、心療内科や精神科に相談することも選択肢です。

受診することは、大げさなことではありません。
辛さを軽くするための大切な行動です。

辛い時に今日できること

自律神経失調症が辛い時は、大きなことをしようとしなくて大丈夫です。

まずは、今日を少しだけ楽にすることを考えましょう。

・横になって休む
・水分をとる
・温かいものを飲む
・深く吸うより、ゆっくり吐く
・部屋を少し暗くする
・スマホを見る時間を減らす
・予定をひとつ減らす
・「今日は休む日」と決める
・体調が悪いことを誰かに伝える
・眠れなくても、布団で目を閉じる

回復のために必要なのは、完璧な生活ではありません。

小さな安心を積み重ねることです。

「今日は何もできなかった」と思う日でも、体を休ませたなら、それは回復のために必要な時間です。

まとめ:自律神経失調症が辛い時は、自分を責めなくていい

自律神経失調症が辛い時、いちばん大切なのは、自分を責めないことです。

動けない日があってもいい。
不安になる日があってもいい。
予定をキャンセルする日があってもいい。
泣きたくなる日があってもいい。

それは、あなたが弱いからではありません。

体と心が「もう少し休ませてほしい」と知らせているサインかもしれません。

自律神経失調症の辛さは、見た目ではわかりにくいものです。
でも、辛いものは辛いのです。

無理に元気なふりをしなくて大丈夫です。
すぐに治そうと焦らなくても大丈夫です。
まずは、今日の自分が少し楽になる選択をしてみてください。

そして、症状が長引く時、不安や落ち込みが強い時、生活に支障が出ている時は、ひとりで抱え込まず、医療機関や相談窓口につながってください。

あなたの辛さは、我慢し続けなくていいものです。
少しずつ休み、少しずつ整え、少しずつ安心できる時間を取り戻していきましょう。