自律神経失調症は時間帯で症状が変わる?朝・昼・夕方・夜につらくなる理由と対処法

自律神経失調症

「自律神経失調症は朝が一番つらい」
「夕方になると急にだるくなる」
「夜になると動悸や不安感が強くなる」
「時間帯によって体調が変わるのはなぜ?」

このように感じている方は少なくありません。

自律神経失調症では、動悸、めまい、頭痛、だるさ、息苦しさ、胃腸の不調、不眠、不安感など、さまざまな症状が出ることがあります。厚生労働省の「こころの耳」でも、自律神経失調症は、明らかな身体の病気がないにもかかわらず、自律神経のバランスが崩れていると感じることによる不調を指し、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸などがあると説明されています。

そして、この不調は一日中同じ強さで続くとは限りません。

朝がつらい人もいれば、夕方に悪化する人もいます。
夜になると不安が強くなる人もいます。
天気、睡眠、疲労、食事、ストレス、仕事や家庭の予定によって、時間帯ごとに症状が変わることもあります。

大切なのは、「時間帯によって症状が変わる自分はおかしい」と思わないことです。

自律神経は、睡眠と覚醒、体温、血圧、胃腸の働き、発汗など、日内リズムと深く関係しています。そのため、生活リズムの乱れや疲労があると、特定の時間帯に不調が出やすくなることがあります。

朝に自律神経失調症がつらい理由

自律神経失調症で「朝が一番つらい」という人は多いです。

朝起きた瞬間から体が重い。
布団から出られない。
めまいがする。
吐き気がある。
動悸がする。
仕事や学校に行くことを考えると不安になる。

このような症状があると、一日の始まりから気持ちが折れてしまいます。

朝は、眠っていた体を活動モードに切り替える時間帯です。睡眠中のリラックス状態から、起きて動く状態へ切り替わるため、自律神経の調整が必要になります。

しかし、睡眠不足、過労、ストレスが続いていると、この切り替えがうまくいかず、朝に強いだるさや不安感が出ることがあります。

また、朝起きてすぐに仕事、家事、学校、通勤、人間関係のことを考えると、体より先に心が緊張してしまうこともあります。

朝の不調にできる対処法

朝がつらい時は、いきなり元気に動こうとしなくて大丈夫です。

まずは、起きたらカーテンを開けて、少し光を浴びることを意識しましょう。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、人間の体内時計は光の影響を受け、朝の強い光は体内時計を早める方向に働くと説明されています。

朝日を浴びることで、睡眠と覚醒のリズムが整いやすくなる人もいます。

ただし、朝から無理に散歩したり、完璧な朝活をしようとしたりする必要はありません。

まずは、

・カーテンを開ける
・水を一口飲む
・布団の中で手足を少し動かす
・深く吸うより、ゆっくり息を吐く
・朝食を少しでも口にする
・出発時間に余裕を持つ

このくらいで十分です。

朝の不調が強い人は、「起きてすぐ頑張る」のではなく、「体をゆっくり起こす」ことを意識しましょう。

昼にだるくなる場合

昼頃になると、急にだるくなる人もいます。

午前中は何とか動けたのに、昼前後から体が重くなる。
頭がぼーっとする。
眠気が強い。
集中力が落ちる。
食後に動悸や眠気が出る。

このような場合、疲労、睡眠不足、食事、血糖の変動、緊張の反動などが関係していることがあります。

特に、朝から無理をしている人は、昼頃にエネルギーが切れやすくなります。

自律神経失調症がある時は、健康な時と同じペースで動こうとすると、途中で急に疲れが出ることがあります。

昼の不調がある人は、午前中に予定を詰め込みすぎないことが大切です。

昼の不調にできる対処法

昼にだるくなりやすい人は、昼休みにしっかり休むことを意識しましょう。

スマホを見続けるよりも、目を閉じる、静かな場所で座る、短時間だけ横になる、軽くストレッチをするなど、体を休ませる時間を作ることが大切です。

また、食事を抜くと、だるさや不安感が強くなる人もいます。

食べすぎも負担になりますが、空腹を我慢しすぎるのもよくありません。

昼は、

・食事を抜かない
・早食いしない
・カフェインを摂りすぎない
・食後すぐに無理に動かない
・可能なら少し休む
・午後の予定を詰め込みすぎない

このような工夫をしてみましょう。

夕方に自律神経失調症が悪化する理由

夕方になると、急に体調が悪くなる人もいます。

仕事や家事が終わる頃に、どっと疲れが出る。
夕方になるとめまいがする。
動悸や息苦しさが出る。
頭が重くなる。
イライラや不安感が強くなる。

夕方の不調は、一日の疲れがたまって出ていることがあります。

朝から気を張っていた。
仕事や家事をこなしていた。
人に気を使っていた。
通勤や買い物で疲れた。
水分や食事が不足していた。

こうした負担が積み重なると、夕方に体が限界を知らせてくることがあります。

厚生労働省の「こころの耳」では、ストレス反応の身体面として、頭痛、肩こり、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などが挙げられています。こうした反応が長く続く場合は、過剰なストレス状態のサインかもしれないとされています。

夕方に不調が出やすい人は、「一日を頑張りすぎていないか」を見直すことが大切です。

夕方の不調にできる対処法

夕方に悪化しやすい人は、夕方まで全力で走り切ろうとしないことが大切です。

おすすめは、一日の中に小さな休憩を入れることです。

・午前中に一度休む
・昼休みにスマホを見すぎない
・午後に水分をとる
・夕方の予定を詰め込みすぎない
・帰宅後すぐに家事を始めない
・10分だけ座って休む
・夕方以降のカフェインを控える

特に、帰宅直後は体も心も疲れています。

家に帰った瞬間に、すぐ家事、育児、夕食準備、連絡確認を始めると、交感神経が休まりにくくなります。

まずは、数分でもいいので座る。
水を飲む。
深く吸うより、ゆっくり吐く。
照明を少し落とす。
音を減らす。

このように、夕方に一度「切り替え時間」を作ると、夜の不調を防ぎやすくなることがあります。

夜に不安や動悸が強くなる場合

夜になると、自律神経失調症の不調が強くなる人もいます。

寝る前になると動悸がする。
息苦しくなる。
不安なことばかり考える。
布団に入ると体調が気になる。
眠れないことが怖くなる。

夜は、日中の忙しさが落ち着き、自分の体の感覚に意識が向きやすい時間です。

昼間は仕事や家事で気が紛れていても、夜になると動悸、息苦しさ、胃の不快感、頭の重さなどに気づきやすくなります。

また、寝る前にスマホで不安な情報を見たり、仕事の連絡を確認したりすると、体は休む準備に入りにくくなります。

厚生労働省の睡眠に関する情報でも、就寝前の光は睡眠を促すメラトニンの分泌を遅らせ、寝つきに影響することがあるため、寝室の照明を暗くし、スマートフォンやタブレット端末を持ち込まないことが大切だとされています。

夜の不調がある人は、寝る前の過ごし方を整えることが大切です。

夜の不調にできる対処法

夜に不安や動悸が強くなる人は、「眠らなければ」と焦らないことが大切です。

眠ろうと頑張るほど、かえって緊張して眠れなくなることがあります。

まずは、寝る前の刺激を減らしましょう。

・スマホを見る時間を減らす
・ニュースやSNSを見すぎない
・仕事の連絡を寝る直前に見ない
・部屋の照明を少し暗くする
・ぬるめのお風呂に入る
・カフェインを夕方以降控える
・寝る前に考え事を書き出す
・不安な時はゆっくり息を吐く

夜に動悸や不安感が出た時は、
「今すぐ眠れなくても大丈夫」
「横になって休むだけでも体は休まる」
「今は不安の波が来ているだけ」
と自分に言ってあげてください。

深夜や早朝に目が覚める場合

自律神経失調症で、夜中や早朝に目が覚める人もいます。

夜中に目が覚めて動悸がする。
朝方に不安で目が覚める。
一度起きると眠れない。
寝不足で翌日さらに体調が悪くなる。

このような状態が続くと、睡眠への不安が強くなります。

「また眠れなかったらどうしよう」
「明日も体調が悪くなるのでは」
「このままずっと治らないのでは」

こう考えると、さらに眠りにくくなることがあります。

夜中に目が覚めた時は、時計を何度も見ないことも大切です。

時間を確認するほど、
「あと何時間しか眠れない」
と焦りやすくなります。

起きてしまった時は、暗めの環境で静かに過ごし、スマホはなるべく見ないようにしましょう。

時間帯による不調を記録してみる

自律神経失調症の症状が時間帯で変わる人は、簡単な記録をつけると役立ちます。

たとえば、次のようなことをメモします。

・何時ごろ不調が出たか
・どんな症状だったか
・睡眠時間
・食事の時間
・カフェインを飲んだ時間
・仕事や家事の負担
・天気や気温
・月経周期
・ストレスが強かった出来事

記録をつけると、
「朝がつらい日は前日に寝るのが遅い」
「夕方の動悸は昼食を抜いた日に多い」
「夜の不安はスマホを見すぎた日に強い」
など、自分の傾向に気づけることがあります。

自分のパターンがわかると、対策もしやすくなります。

朝だけつらい場合、うつ状態にも注意

朝の不調が強く、気分の落ち込みや意欲低下も続いている場合は、自律神経の乱れだけでなく、うつ状態が関係していることもあります。

厚生労働省は、悲しく憂うつな気分が一日中続く、これまで好きだったことに興味がわかない、眠れない、疲れやすい、自分に価値がないように思える、集中力がなくなる、死にたい・消えてしまいたいと思うなどの症状のうち一定の症状が2週間以上続く場合、専門家に相談することをすすめています。

特に、

・朝が極端につらい
・何をしても楽しくない
・気分の落ち込みが続く
・仕事や家事に手がつかない
・自分を責めてしまう
・消えてしまいたいと思う

このような状態がある場合は、早めに心療内科、精神科、またはかかりつけ医に相談してください。

時間帯で症状が変わる時に受診した方がいいサイン

時間帯によって症状が変わること自体は珍しくありません。

しかし、次のような症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。

・動悸が強い
・胸の痛みがある
・息苦しさが強い
・失神しそうになる
・めまいが強い
・頭痛が続く
・眠れない日が続いている
・食欲が落ちている
・仕事や家事に支障が出ている
・不安感が強く外出が難しい
・気分の落ち込みが続いている
・消えてしまいたいと思う

自律神経失調症だと思っていても、心臓、耳、甲状腺、貧血、睡眠障害、更年期、うつ病、不安障害など、別の原因が関係していることもあります。

「いつもの自律神経の乱れ」と自己判断しすぎないことが大切です。

まとめ:自律神経失調症は時間帯で症状が変わることがある

自律神経失調症では、時間帯によって症状が変わることがあります。

朝は、体を活動モードに切り替える時間のため、だるさ、めまい、吐き気、不安感が出やすい人がいます。

昼は、疲労、食事、緊張の反動によって、眠気やだるさが出ることがあります。

夕方は、一日の疲れがたまり、動悸、めまい、頭痛、イライラが強くなる人もいます。

夜は、体の感覚に意識が向きやすくなり、不安、動悸、息苦しさ、不眠が出やすくなることがあります。

大切なのは、「この時間帯に必ず悪化する」と決めつけることではありません。

自分の体調が、どの時間帯に、どんな状況で悪化しやすいのかを知ることです。

朝がつらいなら、起きてすぐ頑張らない。
昼にだるいなら、食事と休憩を整える。
夕方に悪化するなら、一日の負担を減らす。
夜に不安が強いなら、寝る前の刺激を減らす。

時間帯ごとの不調は、体と心からのサインです。

「気のせい」と無視せず、無理を減らし、生活リズムを整え、必要な時は医療機関に相談してください。

自律神経を整えるために大切なのは、完璧な生活を目指すことではありません。

自分の不調が出やすい時間帯を知り、その時間に少しやさしい過ごし方をすることです。

焦らず、責めず、少しずつ体が安心できるリズムを取り戻していきましょう。