自律神経失調症は冷やすと楽になる?冷やしていい症状・注意したい症状を解説

自律神経失調症

「自律神経失調症は冷やすと楽になるの?」
「のぼせやほてりがつらい時は、首を冷やしてもいい?」
「動悸や不安感がある時に、体を冷やすと落ち着く気がする」
「逆に、冷やすと体調が悪くなることもあるの?」

このように悩んでいる方は少なくありません。

自律神経失調症では、動悸、息苦しさ、めまい、頭痛、だるさ、発汗、冷え、ほてり、胃腸の不調、不眠、不安感など、さまざまな症状が出ることがあります。

厚生労働省の「こころの耳」でも、不安や恐怖を感じると自律神経系が興奮し、動悸、息苦しさ、血圧上昇、発汗、口渇、肩こりなどの身体症状が現れることがあると説明されています。

そのため、「冷やすと楽になるのか」「温めた方がいいのか」で迷う人も多いです。

結論から言うと、自律神経失調症の症状によっては、冷やすことで一時的に楽になることがあります。

ただし、何でも冷やせばよいわけではありません。

のぼせ、ほてり、発汗、暑さによるだるさがある時は、首元や脇の下などを軽く冷やすことで楽になる場合があります。一方で、冷え、寒気、手足の冷たさ、胃腸の不調がある時に冷やしすぎると、かえってつらくなることもあります。

大切なのは、「冷やせば自律神経が整う」と考えるのではなく、今の症状に合わせて冷やすかどうかを判断することです。

自律神経失調症で「冷やす」と楽になることがある症状

自律神経失調症の人が冷やして楽になることがあるのは、主に体が熱っぽい、のぼせる、汗が止まらない、暑さでぐったりするような時です。

たとえば、次のような症状がある時です。

・顔がほてる
・頭がぼーっとする
・首から上が熱い
・汗が止まらない
・のぼせる
・暑さで動悸が出る
・体に熱がこもる感じがする
・夏場にだるさやめまいが強くなる
・緊張すると顔や首が熱くなる

このような時は、体に熱がこもっている感覚があり、軽く冷やすことで不快感がやわらぐことがあります。

特に暑い日や湿度が高い日は、自律神経が体温調節のために働き続けるため、体への負担が増えやすくなります。

「暑さで自律神経が乱れている感じがする」
「のぼせると動悸や不安感が強くなる」
「涼しい場所に行くと少し楽になる」

このような人は、冷やし方を工夫すると過ごしやすくなる場合があります。

冷やすならどこを冷やすといい?

体を冷やす時は、やみくもに全身を冷やす必要はありません。

厚生労働省の熱中症対策では、熱中症が疑われる場合の応急処置として、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首の周り、脇の下、足の付け根などを冷やすことが示されています。

自律神経失調症でのぼせや暑さによる不調がある時も、強く冷やしすぎるのではなく、次のような場所を軽く冷やすと楽になることがあります。

・首の後ろ
・首の横
・脇の下
・足の付け根
・手首
・額
・頬
・後頭部

特に、首元を冷やすと、のぼせ感や頭のぼーっとした感じが楽になる人もいます。

ただし、氷を直接肌に当てるのは避けましょう。冷やしすぎると皮膚への刺激が強くなり、痛みや不快感につながることがあります。

保冷剤を使う場合は、タオルで包んで短時間だけ当てるのがおすすめです。

冷やしすぎると逆効果になることもある

自律神経失調症の人は、体温調節がうまくいかず、暑さにも寒さにも敏感になっていることがあります。

そのため、冷やしすぎると、かえって体が緊張してしまう場合があります。

たとえば、次のような症状がある時は注意が必要です。

・手足が冷えている
・寒気がする
・お腹が冷えやすい
・胃腸の調子が悪い
・下痢をしやすい
・肩や首がこっている
・体がこわばっている
・冷房で具合が悪くなる
・冷たい飲み物で胃が重くなる

このような状態で体を冷やしすぎると、血行が悪くなったり、筋肉がこわばったり、胃腸の不調が強くなったりすることがあります。

特に、冷房の効いた部屋で長時間過ごしている人は、体の表面は冷えているのに、頭だけのぼせるような感覚になることもあります。

その場合は、首元を少し冷やすだけでなく、足元やお腹を冷やさない工夫も必要です。

のぼせるのに手足が冷える人は注意

自律神経失調症では、「顔は熱いのに手足は冷たい」という状態になる人もいます。

これは、体の熱のめぐりや血流の調整がうまくいかず、上半身に熱がこもっているように感じる一方で、手足は冷えている状態です。

この場合、顔や首を少し冷やすと一時的に楽になることがあります。

ただし、全身を冷やすと、手足の冷えが悪化してしまうこともあります。

おすすめは、上半身のほてりを軽く冷やしつつ、足元やお腹は冷やさないことです。

たとえば、

・首元だけ短時間冷やす
・冷房を強くしすぎない
・足首を冷やさない
・お腹に冷たいものを当てない
・冷たい飲み物を一気に飲まない
・足湯やぬるめのお風呂で下半身を温める

このように、「上は少し冷やす、下は冷やしすぎない」という考え方が合う人もいます。

動悸や不安感がある時に冷やすのはあり?

動悸や不安感がある時に、冷たいタオルや水で少し落ち着く人もいます。

たとえば、

・手を冷たい水で洗う
・冷たいタオルを首元に当てる
・顔を軽く冷やす
・冷たい水を一口飲む

このような行動で、意識が不安から体の感覚に戻り、少し落ち着くことがあります。

ただし、これは「冷やせば動悸が治る」という意味ではありません。

動悸や不安感が強い時は、体が緊張モードになっていることがあります。厚生労働省の「こころの耳」でも、不安や恐怖により自律神経系が興奮し、動悸や息苦しさ、発汗などが現れることがあると説明されています。

冷やすことは、あくまで一時的に落ち着くための工夫のひとつです。

強い動悸、胸の痛み、息苦しさ、失神しそうな感じがある場合は、自律神経の乱れだけと決めつけず、医療機関に相談してください。

暑さで悪化する自律神経の不調

暑い季節になると、自律神経失調症の症状が悪化する人がいます。

暑さの中では、体は汗をかいたり、血管を広げたりして体温を調整しようとします。この調整を担っているのが自律神経です。

そのため、暑さが強い日、湿度が高い日、冷房との温度差が大きい日は、自律神経に負担がかかりやすくなります。

特に、次のような人は注意が必要です。

・夏になるとめまいが増える
・暑い場所で動悸が出やすい
・汗をかきすぎて疲れる
・冷房の効いた部屋に入るとだるくなる
・外と室内の温度差で体調が崩れる
・夜も暑くて眠れない
・水分不足になりやすい

暑さによる不調がある時は、冷やすことだけでなく、涼しい場所に移動する、水分をとる、無理に外出しない、睡眠環境を整えることも大切です。

厚生労働省の熱中症対策でも、熱中症が疑われる時は涼しい場所へ避難し、体を冷やし、水分補給をすることが大切だとされています。自力で水が飲めない、意識がない場合は救急車を呼ぶ必要があるとも示されています。

冷房で自律神経が乱れることもある

暑い時は冷房が必要ですが、冷房で体調が悪くなる人もいます。

冷房の効いた部屋に長時間いると、体が冷えすぎたり、外との温度差で自律神経に負担がかかったりすることがあります。

冷房で不調が出やすい人は、次のような工夫をしてみてください。

・冷房の風を直接体に当てない
・首や肩を冷やしすぎない
・足元を冷やさない
・薄手の上着を使う
・ひざ掛けを使う
・冷たい飲み物ばかり飲まない
・外気温との差を大きくしすぎない
・寝る時は冷やしすぎない

特に、首、肩、お腹、足首が冷えると、体がこわばりやすくなります。

「暑いから冷やす」と「冷やしすぎて不調になる」のバランスを取ることが大切です。

ホットフラッシュのような症状がある場合

自律神経失調症だと思っていた症状が、更年期のホットフラッシュと関係していることもあります。

厚生労働省の女性の健康推進室ヘルスケアラボでは、更年期障害のチェック項目として、顔のほてり、汗、冷え、息切れ・動悸、不眠、イライラ、憂うつなどが挙げられています。

特に、40代後半から50代前後で、急なほてり、発汗、動悸、不眠、気分の波がある場合は、更年期症状が関係している可能性もあります。

この場合も、首元を冷やす、涼しい服装にする、汗をかいたら着替えるなどの対策が役立つことがあります。

ただし、更年期症状も我慢するしかないものではありません。つらい場合は、婦人科で相談することも選択肢です。

自律神経失調症で冷やす時のおすすめ方法

自律神経失調症でほてりやのぼせがある時は、次のような冷やし方がおすすめです。

・保冷剤をタオルで包んで首元に当てる
・冷たいタオルを額や首に当てる
・手首を水で軽く冷やす
・冷房ではなく扇風機や送風を使う
・外出時は冷却タオルを使う
・帽子や日傘で直射日光を避ける
・汗をかいたら着替える
・水分をこまめにとる

ポイントは、短時間・部分的に冷やすことです。

「体を芯から冷やす」のではなく、「熱がこもってつらい部分を少し楽にする」イメージです。

冷やして気持ちいいと感じる程度ならよいですが、寒い、痛い、震える、気分が悪いと感じる場合は冷やしすぎです。

冷やさない方がいい時

次のような時は、無理に冷やさない方がよい場合があります。

・寒気がある
・手足が冷たい
・お腹が冷えている
・下痢をしている
・冷房で体調が悪くなっている
・体が震える
・冷やすと不安感が強くなる
・血行が悪くなって痛みが出る
・冷やした後にだるさが増える

このような時は、冷やすよりも、体をゆるめる、温かい飲み物を飲む、ぬるめのお風呂に入る、足元を温めるなどの方が合うことがあります。

自律神経失調症の対策は、人によって合う方法が違います。

「冷やすと楽になる人」もいれば、
「冷やすと悪化する人」もいます。

自分の体の反応を見ながら調整することが大切です。

冷やしても改善しない時はどうする?

冷やして一時的に楽になっても、症状がくり返す場合は、根本的な原因を見直す必要があります。

たとえば、

・睡眠不足
・過労
・強いストレス
・不安や緊張
・更年期症状
・貧血
・甲状腺の病気
・心臓や血圧の問題
・耳の病気
・脱水
・薬の影響

などが関係していることもあります。

特に、動悸、息苦しさ、めまい、のぼせ、発汗が続く場合は、自律神経失調症だけと決めつけないことが大切です。

検査で異常がないと言われた場合でも、症状が長引く時や生活に支障が出ている時は、内科、婦人科、心療内科、精神科などで相談してみましょう。

受診を考えた方がいいサイン

次のような症状がある場合は、早めに医療機関に相談してください。

・強い動悸が続く
・胸の痛みがある
・息苦しさが強い
・失神しそうになる
・めまいが強い
・大量の汗が止まらない
・水分がとれない
・意識がぼんやりする
・急に体調が悪化した
・冷やしてもまったく改善しない
・不安感が強く生活に支障が出ている

暑い環境で、めまい、大量の発汗、立ちくらみ、生あくび、筋肉のこむら返りなどがある場合は、熱中症の可能性もあります。厚生労働省は、熱中症が疑われる時には涼しい場所へ移動し、体を冷やし、水分補給を行い、自力で水が飲めない、意識がない場合はすぐに救急車を呼ぶよう示しています。

自律神経の不調だと思っていても、別の病気や緊急性のある状態が隠れていることもあります。無理に自己判断しないようにしましょう。

まとめ:自律神経失調症は「冷やせばいい」とは限らない

自律神経失調症で、のぼせ、ほてり、発汗、暑さによるだるさがある時は、首元や脇の下、手首などを軽く冷やすことで楽になることがあります。

一方で、冷え、寒気、手足の冷たさ、胃腸の不調がある時に冷やしすぎると、かえってつらくなることもあります。

大切なのは、「冷やすか温めるか」を症状に合わせて選ぶことです。

のぼせる時は、首元を軽く冷やす。
暑さでつらい時は、涼しい場所へ移動する。
手足が冷える時は、足元やお腹を冷やさない。
冷房でつらい時は、風を直接当てない。
動悸や息苦しさが強い時は、自己判断せず相談する。

自律神経失調症の対策は、ひとつの方法で全員に合うわけではありません。

冷やすことで楽になる日もあれば、温めた方が楽になる日もあります。

大切なのは、今の自分の体が何を求めているかを丁寧に見ることです。

「冷やせば治る」と思い込まず、無理なく、心地よい範囲で取り入れてください。

そして、症状が長引く場合や、動悸、息苦しさ、めまい、不安感が強い場合は、ひとりで抱え込まず、医療機関に相談しましょう。