妊活中にお寿司や生魚が気になる理由
魚はたんぱく質やDHA・EPAをとれる大切な食品
妊活中にお寿司や生魚を食べていいのか、気になる人は多いです。
お寿司は外食でも人気があり、気分転換にもなる食べ物です。
魚には、たんぱく質、DHA、EPA、ビタミンD、鉄、亜鉛など、体づくりに役立つ栄養が含まれます。
たんぱく質は、筋肉、血液、皮膚、ホルモン、酵素などを作る材料になります。
DHAやEPAは、青魚に多い脂で、健康的な食生活の中で大切にしたい成分です。
妊活中は、卵子や精子のことばかり気になりやすいですが、まずは体全体を元気に働かせることが大切です。
そのため、魚を食事に取り入れること自体は悪いことではありません。
厚生労働省も、魚介類は良質なたんぱく質やDHA、EPAなどの高度不飽和脂肪酸を含み、健康的な食生活にとって大切な食品だと説明しています。(mhlw.go.jp)
つまり、妊活中だから魚を避ける必要がある、というわけではありません。
むしろ、肉、魚、卵、大豆製品を日替わりで使いながら、栄養の幅を広げることは大切です。
ただし、「魚は体に良い」ことと、「生魚をいつでも安心して食べられる」ことは別の話です。
お寿司には、加熱されたネタもあれば、生のネタもあります。
妊活中は、妊娠している可能性がある時期が毎月あります。
排卵後から生理予定日までの間は、まだ妊娠に気づかないこともあります。
そのため、妊娠しているかもしれない前提で食べ方を考えると安心です。
魚は妊活中の味方になります。
でも、食べ方や選び方によって注意点が変わります。
お寿司を楽しむなら、魚の栄養を上手に取り入れつつ、衛生面や水銀のことも知っておきましょう。
生魚は「栄養」よりも衛生面に注意する
生魚を食べるときに気をつけたいのは、栄養よりもまず衛生面です。
生魚は加熱していないため、細菌やウイルス、寄生虫による食中毒のリスクがあります。
新鮮に見えても、完全に安全とは言い切れません。
妊活中は、妊娠している可能性がある時期があります。
妊娠中は、体の変化によって食中毒に注意が必要になるため、妊活中から少し慎重に考えると安心です。
食品安全委員会は、妊娠中にリステリアに感染すると、早産や流産の原因になったり、胎児に影響が出たりすることがあると説明しています。(fsc.go.jp)
厚生労働省も、リステリアは加熱で死滅する一方、低温でも増殖できる特徴があり、妊婦が感染すると胎盤や胎児へ感染し、流産や新生児に影響が出ることがあると説明しています。(mhlw.go.jp)
お寿司の生魚すべてが危険という意味ではありません。
しかし、妊娠の可能性がある時期は、体調やお店の衛生状態、保存状態をよく考えたいところです。
特に注意したいのは、長時間常温に置かれた寿司、持ち帰って時間がたった寿司、体調が悪い日の生魚です。
また、スモークサーモンのように、加熱せずに食べる魚介加工品も注意が必要な食品として挙げられることがあります。
「冷蔵されているから大丈夫」と思いがちですが、リステリアは低温でも増えることがあるため、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は慎重に考えましょう。
妊活中にお寿司を楽しみたいなら、生ネタだけでなく、加熱ネタを選ぶ方法もあります。
えび、たこ、穴子、玉子、いなり、かっぱ巻き、納豆巻き、ツナマヨなど、選べるものは意外と多いです。
生魚を完全に禁止と考えるより、体調や時期に合わせて選び方を変えることが大切です。
妊活中のお寿司の上手な楽しみ方
妊娠の可能性がある時期は加熱ネタを選ぶと安心
妊活中にお寿司を食べるなら、妊娠の可能性がある時期は加熱ネタを中心に選ぶと安心です。
特に排卵後から生理予定日までは、まだ妊娠しているかどうかわからない時期です。
この時期は「妊娠していないから何でも大丈夫」と考えるより、「妊娠しているかもしれない」と考えて食べるものを選ぶと、不安が少なくなります。
加熱ネタには、えび、たこ、いかの一部、穴子、うなぎ、蒸しほたて、玉子などがあります。
ただし、いかやほたては店によって生の場合もあります。
わからないときは、加熱されているか確認しましょう。
巻き寿司なら、かっぱ巻き、納豆巻き、梅しそ巻き、かんぴょう巻き、いなり寿司なども選びやすいです。
ツナマヨやサラダ軍艦などは食べやすいですが、マヨネーズが多いものはカロリーが高くなりやすいので、食べすぎには注意しましょう。
妊活中は、食事が楽しみではなく義務のように感じる日もあります。
でも、お寿司は選び方を工夫すれば、無理なく楽しめます。
生魚を避けたい日は、加熱ネタと巻き寿司を中心にして、温かい味噌汁や茶碗蒸しを合わせると満足感が出ます。
茶碗蒸しには卵が使われているので、たんぱく質を少し足すこともできます。
ただし、魚介入りの茶碗蒸しはしっかり加熱されているものを選びましょう。
持ち帰り寿司の場合は、買ったら早めに食べることが大切です。
暑い時期に長く持ち歩くのは避けましょう。
冷蔵庫に入れていても、時間がたつほど味も安全性も落ちやすくなります。
妊活中は、食べたいものを全部我慢する必要はありません。
でも、妊娠の可能性がある時期は、生ものより加熱されたものを選ぶと、あとから不安になりにくいです。
お寿司は、選び方しだいで妊活中でも楽しめる食事です。
水銀が多い魚は食べる量を知っておく
お寿司で気になるもうひとつのポイントが、水銀です。
魚介類には自然界にある水銀が含まれることがあります。
特に、食物連鎖の上位にいる大きな魚は、メチル水銀が多くなることがあります。
妊娠中は、赤ちゃんへの影響を考えて、一部の魚について食べる量の目安が示されています。
妊活中も、妊娠している可能性がある時期があるため、知っておくと安心です。
厚生労働省は、妊婦が注意すべき魚介類について、1回に食べる量を約80gとして、週に食べる目安を示しています。(mhlw.go.jp)
また、寿司や刺身では、一貫または一切れを15g程度として考えることも示されています。(mhlw.go.jp)
注意したい魚には、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、本マグロ、メバチマグロなどがあります。
お寿司でよく食べるマグロも、種類によって注意が必要です。
特に本マグロやメバチマグロをたくさん食べる習慣がある人は、量を意識しましょう。
一方で、サケ、アジ、イワシ、サバ、サンマ、タイ、ブリ、カツオ、ツナ缶などは、厚生労働省の資料で「特に注意が必要でないもの」として紹介されています。(mhlw.go.jp)
つまり、水銀が心配だから魚を全部やめる必要はありません。
大切なのは、魚の種類を知り、偏らずに食べることです。
お寿司を食べるときも、マグロばかり何皿も食べるより、サーモン、えび、玉子、納豆巻き、いなり、加熱ネタなどを組み合わせると安心です。
魚は栄養のある食品です。
水銀を怖がりすぎて魚をまったく食べないと、DHAやEPA、たんぱく質をとる機会が減ってしまいます。
妊活中は、避けることだけでなく、上手に選ぶことが大切です。
お寿司は種類が多いので、選び方を知っていれば、楽しみながらリスクを減らせます。
お寿司を食べるときの注意点
鮮度・保存・体調を見て無理をしない
妊活中にお寿司を食べるときは、鮮度、保存、体調をよく見ましょう。
お寿司は見た目がきれいで食べやすいですが、生魚を使う場合は温度管理がとても大切です。
安全に食べるためには、信頼できるお店で食べること、買ったら早めに食べること、長時間常温に置かないことが基本です。
特に夏場や持ち帰りの場合は注意が必要です。
買い物のあとに長く持ち歩いた寿司を食べるのは避けたほうが安心です。
家に持ち帰ったら、できるだけ早めに食べましょう。
冷蔵庫に入れたからといって、何日も安全に食べられるわけではありません。
また、体調が悪い日は生魚を避ける選択も大切です。
疲れている日、胃腸の調子が悪い日、下痢気味の日、発熱している日などは、いつもなら平気な食べ物でも負担になることがあります。
妊活中は、ホルモンの変化やストレスで体調がゆれやすい時期です。
「せっかく買ったから」と無理に食べる必要はありません。
生魚で気をつけたいものには、細菌やウイルスだけでなく、寄生虫もあります。
厚生労働省の食中毒情報では、魚介類に関係する食中毒の原因として、腸炎ビブリオやアニサキスなども取り上げられています。(mhlw.go.jp)
アニサキスは、サバ、アジ、イワシ、サンマ、カツオ、サケ、イカなどに寄生することがある寄生虫です。
食べると強い腹痛などを起こすことがあります。
新鮮だから絶対に大丈夫というわけではありません。
妊活中は、食中毒になると体もしんどく、薬の使用や通院で不安が増えることもあります。
お寿司を食べるなら、体調のよい日に、清潔で信頼できるお店で、早めに食べる。
不安な日は加熱ネタを選ぶ。
このくらいの工夫で、楽しみながらリスクを下げられます。
妊活ではお寿司だけでなく食事全体を整える
妊活中にお寿司や生魚をどうするかは、悩みやすいテーマです。
でも、妊活で本当に大切なのは、お寿司を食べるか食べないかだけではありません。
体は、たくさんの栄養と生活習慣が重なって働いています。
たんぱく質は、体を作る材料になります。
鉄は、血液を通して酸素を運ぶ働きに関わります。
亜鉛は、細胞づくりや生殖機能に関係します。
葉酸は、妊娠前から特に意識したいビタミンです。
ビタミンD、ビタミンC、ビタミンEも、それぞれ違う形で体を支えます。
お寿司を食べる日は、魚のたんぱく質をとれる一方で、野菜が少なくなりやすいです。
そのため、味噌汁、茶碗蒸し、海藻サラダ、野菜のおかずを足すと、食事全体が整いやすくなります。
また、シャリが多くなると炭水化物に偏りやすいので、食べる量もほどほどにしましょう。
妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、神経管閉鎖障害のリスク低減のため、通常の食品以外から葉酸を1日400μgとることが望ましいと厚生労働省の資料で示されています。(mhlw.go.jp)
つまり、お寿司を楽しむ日があっても、葉酸、鉄、たんぱく質、野菜などを別の食事で整えることが大切です。
妊活中は、食べ物に対して「これは良い」「これは悪い」と白黒つけたくなることがあります。
でも、食事は一日、一週間のバランスで考えるものです。
生魚が不安な時期は加熱ネタにする。
マグロを食べるなら量を決める。
魚を食べた日は野菜も足す。
このような選び方で十分です。
また、妊活が長引いている場合や、生理不順、強い生理痛、排卵の不安、貧血、男性側の精子の不安がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
お寿司は、妊娠を左右する特別な食べ物ではありません。
でも、選び方を知れば、妊活中でも不安を減らして楽しめる食事になります。

