妊活中にパイナップルが気になる理由
パイナップルはビタミンCを含む身近な果物
パイナップルは、甘酸っぱくて食べやすい果物です。
スーパーやコンビニでもカットフルーツとして買いやすく、妊活中のおやつに選ぶ人もいるでしょう。
パイナップルにはビタミンC、食物繊維、カリウムなどが含まれます。
ビタミンCは、体の中で増えすぎた活性酸素から細胞を守る抗酸化作用をもつ栄養素です。
また、皮膚や血管などを支えるコラーゲンを作るときにも必要です。
妊活中は、卵子や精子、子宮環境などが気になりやすいため、抗酸化に関わる栄養素に関心が集まります。
ただし、パイナップルを食べれば妊娠しやすくなる、という単純な話ではありません。
妊活には、年齢、排卵、卵管、子宮、精子の状態、体重、睡眠、ストレス、持病など、たくさんの要素が関係します。
パイナップルは、妊娠を決める特別な食べ物ではなく、食事にビタミンや食物繊維を足してくれる果物のひとつです。
食品成分データベースは文部科学省が開発した食品成分のデータベースで、食品ごとのビタミンCや食物繊維などを確認できます。(fooddb.mext.go.jp)
妊活中に果物を食べることは、甘いお菓子を減らすきっかけにもなります。
ケーキや菓子パンの代わりに、カットパインを少し食べるなら、ビタミンCや水分もとりやすくなります。
でも、果物にも糖分はあります。
体に良いからといって、大きなパックを一度に食べきる必要はありません。
パイナップルは、食事の主役ではなく、朝食や間食に少し足すくらいがちょうどよい食品です。
「着床に良い」といううわさは期待しすぎない
妊活中のパイナップルでよく見かけるのが、「着床に良い」といううわさです。
特に、排卵後や胚移植後にパイナップルを食べるとよい、芯の部分がよい、という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
この話の背景には、パイナップルに含まれるブロメラインという酵素があります。
ブロメラインは、パイナップルの茎や果実に含まれる酵素の混合物です。
たんぱく質を分解する働きがあり、サプリとして売られていることもあります。
そのため、炎症や血流、着床に関係するのではないかと期待されることがあります。
しかし、パイナップルを食べることで着床率が上がる、妊娠しやすくなる、と断言できる十分な根拠はありません。
米国NCCIHは、ブロメラインについて、パイナップルの茎や果実に含まれる酵素であること、妊娠中や授乳中の安全性についてはほとんどわかっていないことを説明しています。(nccih.nih.gov)
つまり、普通の果物として少量食べることと、ブロメラインをサプリで高濃度にとることは分けて考える必要があります。
妊活中は、妊娠している可能性がある時期があります。
排卵後から生理予定日までの間は、まだ妊娠に気づかないこともあります。
その時期に、着床を期待して特定の成分を大量にとるのは慎重になったほうが安心です。
パイナップルを食べること自体を怖がりすぎる必要はありません。
でも、「食べなかったから着床しない」「食べれば着床する」と考えると、心が疲れてしまいます。
妊活中のパイナップルは、願掛けのように無理して食べるものではありません。
好きならおいしく食べる。
苦手なら無理に食べない。
そのくらいの距離感が、妊活中にはいちばんやさしい考え方です。
妊活中のパイナップルの上手な食べ方
食べるなら1日少量をおやつや朝食に取り入れる
妊活中にパイナップルを食べるなら、1日少量を目安に取り入れるとよいです。
たとえば、カットパインを小皿に少し、朝食や午後のおやつに食べるくらいです。
パイナップルは甘酸っぱく、さっぱりしているので、食欲がない日にも食べやすいことがあります。
ただし、果物には自然な糖分が含まれます。
体に良さそうだからといって、毎日たくさん食べる必要はありません。
大きなパックを一度に食べたり、缶詰のシロップまで飲んだりすると、糖分のとりすぎにつながりやすくなります。
特に、体重管理をしている人、血糖値が気になる人、多嚢胞性卵巣症候群などで食生活を意識している人は、量を決めて食べるほうが安心です。
缶詰を選ぶ場合は、シロップ漬けより、果汁漬けや砂糖不使用に近いものを選ぶと使いやすいです。
ただし、表示は商品ごとに違うので、原材料や栄養成分を確認しましょう。
妊活中の食事で大切なのは、主食、主菜、副菜をそろえることです。
国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物を適切に組み合わせることがすすめられています。(nibn.go.jp)
パイナップルは、この中では果物として考えるとわかりやすいです。
朝食なら、パンやごはん、卵やヨーグルトに、パイナップルを少し足す形がよいです。
間食なら、お菓子の代わりに少量を楽しむと満足感が出ます。
夜遅くにたくさん食べると、胃が重く感じる人もいます。
胃腸が弱い人は、空腹時にたくさん食べると酸味で胃がつらくなることもあります。
自分の体調を見ながら、少しずつ取り入れましょう。
ヨーグルト・卵・ナッツなどと組み合わせる
パイナップルは、そのまま食べてもおいしいですが、ほかの食品と組み合わせると妊活中の食事に使いやすくなります。
おすすめしやすいのは、ヨーグルト、卵、ナッツ、オートミールなどとの組み合わせです。
ヨーグルトにパイナップルを少し入れると、甘酸っぱさで食べやすくなります。
無糖ヨーグルトを使えば、砂糖を足さなくても満足しやすいです。
そこにきな粉や少量のナッツを加えると、たんぱく質や脂質も少し補えます。
朝食にするなら、パイナップルだけではなく、卵や納豆、チーズ、豆腐などのたんぱく質も合わせたいところです。
たんぱく質は、筋肉、血液、皮膚、ホルモン、酵素などを作る材料になります。
妊活中は、果物だけでなく、体を作る材料もしっかり入れることが大切です。
たとえば、朝にオートミール、ヨーグルト、パイナップル、ゆで卵を組み合わせる。
昼にサラダチキンや卵のサラダに、少量のパイナップルを添える。
間食にパイナップルと無塩ナッツを少し食べる。
このようにすると、甘さだけでなく栄養のバランスも考えやすくなります。
妊活中に特に大切な栄養素として、葉酸があります。
こども家庭庁の情報では、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、通常の食事に加えて、サプリメントや強化食品から葉酸を400μg/日とることが望ましいとされています。(precon.cfa.go.jp)
パイナップルだけで葉酸対策ができるわけではありません。
ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆なども一緒に意識しましょう。
また、ナッツを合わせるときは食べすぎに注意です。
アーモンドやくるみは栄養がありますが、カロリーも高めです。
少量をよくかんで食べるくらいがちょうどよいです。
パイナップルは、単品で妊活に効かせる食品ではありません。
ほかの食品と組み合わせて、食事を少し楽しく整えるための果物です。
パイナップルを食べるときの注意点
ブロメラインのサプリや食べすぎには注意する
パイナップルを妊活中に食べるときは、普通の果物として食べるのか、ブロメラインのサプリとしてとるのかを分けて考えることが大切です。
普通にパイナップルを少量食べることと、ブロメラインを濃縮したサプリを飲むことは同じではありません。
サプリは、食品よりも一度に多い量の成分をとることがあります。
妊活中は、妊娠している可能性がある時期もあるため、自己判断で高用量のサプリを飲むのは慎重に考えましょう。
NCCIHは、ブロメラインについて、妊娠中や授乳中の安全性はほとんどわかっていないとしています。(nccih.nih.gov)
また、ブロメラインを口からとった人で、胃腸の問題、心拍数の増加、月経に関する問題が報告されたことも紹介されています。(nccih.nih.gov)
妊活中に「着床に良さそう」と思って、ブロメラインサプリを始める場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
特に、不妊治療中の人、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人、手術や採卵の予定がある人、持病がある人は注意が必要です。
また、パイナップルそのものも、食べすぎれば胃腸に負担になることがあります。
酸味が強いため、口の中がヒリヒリしたり、胃がムカムカしたりする人もいます。
空腹時にたくさん食べるとつらくなる場合があります。
アレルギー体質の人も注意しましょう。
食べたあとに、口のかゆみ、じんましん、息苦しさ、腹痛などが出た場合は、無理に続けないでください。
妊活中は、良いと聞いたものをがんばって続けたくなることがあります。
でも、体に合わないものを無理に食べる必要はありません。
パイナップルは、好きなら少量楽しむ果物です。
サプリや大量摂取で妊活を変えようとするものではありません。
妊活ではパイナップルだけでなく生活全体を整える
パイナップルは、妊活中のおやつや朝食に使いやすい果物です。
ビタミンCや食物繊維を含み、甘酸っぱくて気分転換にもなります。
でも、妊活で本当に大切なのは、パイナップルだけを食べることではありません。
体は、たくさんの栄養と生活習慣が重なって働いています。
たんぱく質は、体を作る材料になります。
鉄は、血液を通して酸素を運ぶ働きに関わります。
亜鉛は、細胞づくりや生殖機能に関係します。
葉酸は、妊娠前から特に意識したいビタミンです。
ビタミンD、ビタミンC、ビタミンEも、それぞれ違う形で体を支えます。
パイナップルを食べていても、朝食を抜く、夜更かしをする、強いストレスをためる、喫煙する、飲酒量が多い、という生活が続けば、体の土台は整いにくいです。
妊活中の食事は、主食、主菜、副菜をそろえることが基本です。
主食は、ごはん、パン、麺などです。
主菜は、肉、魚、卵、大豆製品などです。
副菜は、野菜、きのこ、海藻などです。
ここに果物としてパイナップルを少し足すと、食事が楽しくなります。
国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から健康なからだづくりを始め、食事バランスを整えることが大切だとされています。(nibn.go.jp)
また、妊活が長引いている場合や、生理不順、強い生理痛、排卵の不安、貧血、男性側の精子の不安がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
栄養や食品の工夫は大切ですが、検査や治療が必要な原因が見つかることもあります。
パイナップルは、妊娠を約束する魔法の果物ではありません。
でも、食事に彩りと楽しさを足してくれる心強い果物です。
食べすぎず、ほかの食品と組み合わせながら、無理なく妊活中の食卓に取り入れていきましょう。
