妊活中にサバが気になる理由
サバはたんぱく質と良質な脂質をとれる魚
妊活中にサバが気になる人は多いです。
サバは、スーパーでも買いやすく、焼き魚、味噌煮、缶詰などで食べやすい魚です。
妊活中の食事で大切なのは、特別な食品をひとつだけ食べることではありません。
体を作る材料になる栄養を、毎日きちんと入れることです。
その中でサバは、たんぱく質をとりやすい食品です。
たんぱく質は、筋肉、血液、皮膚、ホルモン、酵素など、体のいろいろな部分を作る材料になります。
妊活中は、卵子や精子、子宮環境ばかりが気になりやすいですが、まず体全体を元気に動かす土台が必要です。
その土台のひとつが、たんぱく質です。
サバは肉よりも脂が多いと感じることがあります。
でも、その脂には魚ならではの良さがあります。
魚介類は、良質なたんぱく質やDHA、EPAなどの高度不飽和脂肪酸を含み、健康的な食生活にとって大切な食品だと厚生労働省も説明しています。(mhlw.go.jp)
ただし、サバを食べれば妊娠しやすくなる、という単純な話ではありません。
妊活には、年齢、排卵、卵管、子宮、精子の状態、体重、睡眠、ストレス、持病など、たくさんの要素が関係します。
サバは、妊娠を決める特別な食べ物ではなく、体づくりを支える食材のひとつです。
たとえるなら、毎日の食卓に置ける頼れるおかずです。
高級な食材ではないのに、たんぱく質も脂質もとれ、料理の幅も広いところが魅力です。
妊活中は、食事を完璧にしようとすると疲れてしまいます。
その点、サバは焼くだけ、缶詰を開けるだけでも使えるので、忙しい日にも取り入れやすいです。
「妊活のために特別なものを買う」より、「いつもの食事にサバを上手に入れる」くらいの気持ちで続けるのがおすすめです。
DHA・EPAやビタミンDも妊活中の体づくりに役立つ
サバが妊活中に注目される理由は、たんぱく質だけではありません。
サバには、DHAやEPAと呼ばれる脂肪酸が含まれます。
DHAやEPAは、魚の脂に多い成分です。
よく「青魚の良い脂」と言われます。
これらは体の健康を支える脂質として知られています。
妊活中は、油を全部避けようとする人もいます。
でも、脂質は体に必要な栄養です。
細胞の膜やホルモンに関わるため、極端に脂質を減らす食事はおすすめできません。
大切なのは、揚げ物や加工食品の脂に偏らず、魚やナッツ、植物油などから質のよい脂を適量とることです。
サバは、その意味で使いやすい魚です。
また、サバにはビタミンDも含まれます。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素として知られています。
骨の健康だけでなく、妊活や妊娠中の健康との関係でも注目されています。
厚生労働省の食事摂取基準では、ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でも作られるため、日常生活で可能な範囲の適度な日光浴を心がけることも大切だとされています。(mhlw.go.jp)
つまり、ビタミンD対策は、サバだけでなく、魚を食べること、卵やきのこを使うこと、少し外に出ることを組み合わせて考えるとよいです。
サバは、DHA、EPA、たんぱく質、ビタミンDなどを一緒にとれる便利な食品です。
ただし、「サバを食べれば卵子が若返る」「着床しやすくなる」と言い切ることはできません。
妊活中は、魅力的な言葉ほど信じたくなります。
でも、体はひとつの成分だけで変わるものではありません。
サバは、特別な効果を期待して大量に食べるより、週の食事に何回か取り入れるくらいが現実的です。
魚が苦手な人は、無理に毎日食べる必要はありません。
鮭、いわし、さんま、しらすなど、ほかの魚も組み合わせながら、食べやすい形で続けることが大切です。
妊活中のサバの上手な食べ方
塩焼き・味噌煮・水煮缶を使い分ける
サバは料理の種類が多く、妊活中の食事に取り入れやすい魚です。
まず定番は塩焼きです。
焼くだけで主菜になるので、忙しい日にも便利です。
ただし、塩サバは塩分が多いことがあります。
ごはんが進む味ですが、毎日濃い味で食べると食塩のとりすぎにつながることがあります。
塩サバを食べる日は、味噌汁を薄味にしたり、漬物を控えたりして、食事全体の塩分を調整するとよいです。
次に人気なのがサバの味噌煮です。
味噌のコクで魚のにおいがやわらぐため、青魚が苦手な人でも食べやすい料理です。
しょうがを入れると香りがよくなり、食べやすくなります。
ただし、味噌煮も砂糖や味噌を使うため、味つけが濃くなりやすいです。
汁を全部飲み干さず、野菜のおかずを添えるとバランスが取りやすくなります。
そして便利なのがサバ缶です。
水煮缶、味噌煮缶、しょうゆ煮缶などがあります。
特に水煮缶は、料理に使いやすいです。
大根おろしと合わせる。
トマト缶と煮る。
味噌汁に入れる。
キャベツやきのこと炒める。
このように、包丁をあまり使わずに主菜を作れます。
妊活中は、食事に気をつけたいと思っても、毎日きちんと料理するのは大変です。
そんなとき、サバ缶は助けになります。
国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を意識することがすすめられています。(nibn.go.jp)
サバは、その中の主菜として使いやすい食品です。
ただし、缶詰は商品によって塩分が違います。
選ぶときは、食塩相当量を見て、できれば減塩タイプや水煮タイプを選ぶと安心です。
「焼く日」「煮る日」「缶詰を使う日」と分ければ、飽きずに続けやすくなります。
野菜や主食と組み合わせてバランスを整える
サバは栄養のある魚ですが、サバだけ食べれば妊活向きの食事になるわけではありません。
大切なのは、主食、主菜、副菜をそろえることです。
主食は、ごはん、パン、麺などです。
主菜は、肉、魚、卵、大豆製品などです。
副菜は、野菜、きのこ、海藻などです。
サバは主菜になります。
そこにごはんと野菜のおかずを合わせると、食事全体のバランスが整いやすくなります。
たとえば、サバの塩焼きにごはん、小松菜のおひたし、きのこの味噌汁を合わせる。
サバの味噌煮に玄米、ブロッコリー、わかめスープを合わせる。
サバ缶のトマト煮にパンやごはん、サラダを合わせる。
このように組み合わせると、たんぱく質だけでなく、葉酸、鉄、ビタミンC、食物繊維などもとりやすくなります。
妊活中は、葉酸も大切です。
厚生労働省の食事摂取基準では、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、神経管閉鎖障害のリスク低減のため、通常の食品以外から葉酸を1日400μgとることが望ましいとされています。(mhlw.go.jp)
サバは葉酸をしっかり補う食品というより、たんぱく質や脂質を支える食品です。
葉酸は、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちごなども意識しましょう。
また、サバと野菜を一緒に食べると、味の面でも食べやすくなります。
青魚の脂っぽさが気になるときは、大根おろし、レモン、しょうが、ねぎ、しそなどを合わせるとさっぱりします。
サバ缶なら、キャベツ、玉ねぎ、トマト、きのこ、豆腐などと相性がよいです。
妊活中の食事は、完璧を目指す必要はありません。
「今日はサバを主菜にして、野菜を一品足せた」だけでも十分です。
サバをきっかけに、食卓全体を少し整えることが大切です。
サバを食べるときの注意点
水銀は過度に心配しすぎなくてよい
妊活中に魚を食べるとき、「水銀が心配」と感じる人もいるでしょう。
妊娠中の魚介類と水銀については、厚生労働省が注意事項を出しています。
水銀は、魚の種類によって含まれる量が違います。
特に大きな魚や食物連鎖の上位にいる魚では、メチル水銀が多くなることがあります。
妊娠中は赤ちゃんへの影響を考えて、一部の魚について食べる量の目安が示されています。
では、サバはどうなのでしょうか。
厚生労働省の資料では、サバの塩焼きは「注意が必要ないもの」の例として挙げられています。(mhlw.go.jp)
つまり、サバは妊娠中でも水銀の面で過度に避ける魚ではありません。
妊活中も、必要以上に怖がって魚をまったく食べない必要はないでしょう。
むしろ魚介類は、良質なたんぱく質、DHA、EPA、カルシウムなどを含むため、健康的な食生活に役立つ食品です。(mhlw.go.jp)
ただし、「サバなら何をしても大丈夫」という意味ではありません。
同じ魚ばかり大量に食べ続けるより、いろいろな魚や食品を組み合わせることが大切です。
サバ、鮭、いわし、さんま、あじ、しらす、たらなどを、日によって変えると栄養の幅も広がります。
また、刺身やしめさばなど生に近いものは、妊娠の可能性がある時期には衛生面も考えたいところです。
食中毒を避けるため、体調が不安定なときや妊娠がわかった後は、十分に加熱した魚を選ぶと安心です。
妊活中は、情報を調べるほど不安が増えることがあります。
「魚は水銀があるから全部ダメ」と考える必要はありません。
大切なのは、注意が必要な魚を知り、安心して食べられる魚を上手に選ぶことです。
サバは、妊活中の食卓に取り入れやすい魚のひとつです。
怖がりすぎず、でも偏りすぎず、バランスよく楽しみましょう。
缶詰の塩分と食べすぎには気をつける
サバ缶は、妊活中の食事を助けてくれる便利な食品です。
調理の手間が少なく、保存もしやすく、忙しい日でもたんぱく質を足しやすいからです。
でも、便利だからこそ注意したい点もあります。
ひとつは塩分です。
サバの水煮缶、味噌煮缶、しょうゆ煮缶は、商品によって食塩相当量が違います。
味噌煮やしょうゆ煮は味がしっかりしている分、塩分や糖分が多くなりやすいです。
妊活中に限らず、食塩のとりすぎは体に負担になります。
毎日のようにサバ缶を食べる場合は、減塩タイプを選ぶ、汁を全部使わない、野菜や豆腐でかさ増しするなどの工夫をしましょう。
たとえば、サバ缶をそのまま食べるのではなく、キャベツ、玉ねぎ、きのこ、トマトと一緒に煮ると、味がやわらぎ、野菜も一緒にとれます。
味噌汁に入れる場合は、味噌を少なめにするのがポイントです。
もうひとつの注意点は、食べすぎです。
サバは栄養のある魚ですが、毎日サバだけを食べる必要はありません。
同じ食品に偏ると、栄養のバランスが狭くなります。
妊活中の体には、たんぱく質、鉄、亜鉛、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、カルシウムなど、いろいろな栄養が必要です。
厚生労働省の妊産婦のための食生活指針でも、主食、主菜、副菜を基本に、多様な食品から必要な栄養素をバランスよくとることが大切だとされています。(mhlw.go.jp)
サバを食べるなら、週に何回か魚の日を作るくらいから始めると続けやすいです。
魚が苦手な日は、卵、豆腐、納豆、鶏肉、豚肉などを使ってもかまいません。
妊活中は「これを食べなきゃ」と思いすぎると、食事がプレッシャーになります。
サバ缶は、がんばれない日の味方です。
ただし、塩分を見て、野菜と組み合わせ、ほかの食品ともローテーションする。
そのくらいの使い方が、妊活中にはいちばん安心で続けやすい方法です。

