妊活中にアサリは食べていい?鉄・亜鉛・ビタミンB12と注意点をやさしく解説

妊活

妊活中にアサリが気になる理由

アサリは鉄とビタミンB12をとりやすい貝

妊活中にアサリが気になる人は多いです。

アサリは小さな貝ですが、体づくりに役立つ栄養を含んでいます。

特に注目したいのが、鉄とビタミンB12です。

鉄は、血液の中で酸素を運ぶために必要な栄養素です。

月経がある人は鉄を失いやすいため、妊活中に鉄不足が気になることがあります。

鉄が不足すると、疲れやすい、息切れしやすい、顔色が悪い、集中しにくいなどの不調につながることがあります。

もちろん、これらの症状がすべて鉄不足とは限りません。

でも、妊娠を考える時期には、鉄を含む食品を意識することは大切です。

文部科学省の食品成分データベースでは、生のアサリ100gあたり鉄が2.2mg、ビタミンB12が44.8μg含まれるとされています。(fooddb.mext.go.jp)

ビタミンB12は、赤血球づくりや神経の健康に関わる栄養素です。

葉酸と一緒に働くため、妊活中にも知っておきたいビタミンです。

ただし、アサリを食べれば妊娠しやすくなる、という単純な話ではありません。

妊活には、年齢、排卵、卵管、子宮、精子の状態、睡眠、体重、ストレス、持病など、たくさんの要素が関係します。

アサリは、妊娠を決める特別な食べ物ではなく、体を支える食品のひとつです。

たとえるなら、毎日の食事に入れられる小さな助っ人です。

味噌汁やパスタ、酒蒸しなどに入れるだけで、鉄やビタミンB12を少し意識した食事にできます。

妊活中は「これだけ食べれば大丈夫」と考えるより、いろいろな食品を組み合わせることが大切です。

アサリは、その組み合わせの中で使いやすい食材です。

亜鉛やたんぱく質も体づくりを支える

アサリには、鉄やビタミンB12だけでなく、亜鉛も含まれています。

亜鉛は、細胞づくりやたんぱく質の合成、免疫の働きなどに関わるミネラルです。

妊活中は、女性だけでなく男性の体づくりでも亜鉛が話題になります。

精子の形成や生殖機能との関係が研究されているためです。

ただし、亜鉛も「たくさんとれば妊娠しやすくなる」という栄養素ではありません。

不足しないように、食事の中で適量をとることが大切です。

文部科学省の食品成分データベースでは、生のアサリ100gあたり亜鉛が0.9mg含まれるとされています。(fooddb.mext.go.jp)

アサリは、肉や魚ほどたんぱく質が多い食品ではありませんが、食事に足すことで栄養の幅を広げてくれます。

たとえば、アサリの味噌汁に卵焼きや納豆を合わせる。

アサリの酒蒸しにごはんと野菜のおかずを合わせる。

アサリ入りパスタにサラダと豆腐を足す。

このように組み合わせれば、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンをまとめて考えやすくなります。

妊活中は、葉酸も大切です。

厚生労働省の資料では、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、神経管閉鎖障害のリスク低減のため、通常の食品以外から葉酸を1日400μgとることが望ましいとされています。(mhlw.go.jp)

アサリは葉酸を主に補う食品ではありません。

だからこそ、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、納豆なども一緒に意識するとよいです。

妊活中の食事は、ひとつの食品に頼るより、いろいろな食品の力を少しずつ借りるほうが続けやすいです。

アサリは、その中で鉄やB12、亜鉛を足しやすい便利な存在です。

妊活中のアサリの上手な食べ方

味噌汁・酒蒸し・炊き込みごはんで取り入れる

アサリは、料理に使いやすい食材です。

妊活中の食事に取り入れるなら、まずおすすめしやすいのが味噌汁です。

アサリの味噌汁は、だしがよく出るので、少ない材料でも満足感があります。

豆腐、わかめ、ねぎ、小松菜、きのこなどを一緒に入れると、栄養の幅も広がります。

小松菜を入れれば鉄や葉酸を意識できます。

豆腐を入れればたんぱく質を足せます。

きのこを入れれば食物繊維もとりやすくなります。

次に使いやすいのが酒蒸しです。

アサリ、酒、しょうが、ねぎを入れて加熱するだけで、主菜にも副菜にもなります。

ただし、妊活中や妊娠の可能性がある時期は、アルコールをしっかり飛ばすように加熱しましょう。

心配な場合は、酒の代わりに水やだしを使ってもおいしく作れます。

炊き込みごはんもおすすめです。

アサリ、にんじん、しょうが、きのこを入れると、香りがよく、食べやすい一品になります。

ただし、炊き込みごはんは味つけが濃くなりやすいので、しょうゆや塩は控えめにしましょう。

妊活中は、主食、主菜、副菜を組み合わせることが大切です。

国立健康・栄養研究所の妊産婦向け食生活指針でも、妊娠前から主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物を適切に組み合わせることが示されています。(nibn.go.jp)

アサリ料理だけで食事を終えるのではなく、ごはん、卵、魚、肉、大豆製品、野菜などと組み合わせると、妊活中の体づくりに役立ちます。

アサリはうま味が強いので、薄味でもおいしく感じやすい食材です。

塩分を控えたい人にも、工夫しやすい食品です。

「栄養のために無理して食べる」より、「おいしいから続けられる」形で取り入れるのがいちばんです。

缶詰や冷凍アサリを忙しい日の味方にする

妊活中に食事を整えたいと思っても、毎日きちんと料理するのは大変です。

仕事、家事、通院、検査、基礎体温の記録などで、心も体も疲れる日があります。

そんなときに便利なのが、アサリの缶詰や冷凍アサリです。

砂抜きや下処理の手間が少なく、すぐ料理に使えるため、忙しい日の味方になります。

アサリの水煮缶は、味噌汁、スープ、パスタ、炊き込みごはん、炒め物に使いやすいです。

文部科学省の食品成分データベースでは、アサリ水煮缶100gあたり鉄が30.0mg、亜鉛が3.4mg、ビタミンB12が64.0μg含まれるとされています。(fooddb.mext.go.jp)

缶詰は栄養がぎゅっと含まれている一方で、商品によって塩分が違います。

選ぶときは、食塩相当量を確認しましょう。

味つき缶は便利ですが、しょうゆや砂糖が使われていることもあります。

毎日のように使うなら、水煮や減塩タイプを選ぶと安心です。

冷凍アサリも便利です。

冷凍庫に入れておけば、具が少ない日でもすぐに味噌汁やスープに足せます。

ただし、冷凍だからといって加熱を省いてよいわけではありません。

しっかり火を通して使いましょう。

アサリだけで栄養を全部まかなうことはできません。

でも、食事が簡単になりすぎる日に、アサリを足すだけで鉄やビタミンB12を意識しやすくなります。

たとえば、冷凍アサリと小松菜の味噌汁に、納豆ごはんを合わせる。

アサリ缶とトマト缶でスープを作り、卵やチーズを足す。

冷凍アサリをパスタに入れ、ブロッコリーを添える。

このように使えば、妊活中でも無理なく栄養のある食事に近づけます。

完璧な自炊を目指すより、便利な食品を上手に使うことも大切です。

アサリを食べるときの注意点

生や加熱不足を避けて食中毒を防ぐ

アサリを食べるときにいちばん気をつけたいのは、食中毒です。

アサリは二枚貝です。

二枚貝は、海水を取り込みながら育つため、ウイルスや細菌が体内に入ることがあります。

特にノロウイルスは、加熱不足の二枚貝による食中毒で問題になることがあります。

妊活中は、妊娠している可能性がある時期があります。

妊娠に気づく前でも、体に負担をかけない食べ方を意識することが大切です。

厚生労働省は、加熱調理用の二枚貝について、内部に食中毒の原因となるA型肝炎ウイルスやノロウイルスが存在するおそれがあるため、中心部まで十分に加熱する必要があると説明しています。(mhlw.go.jp)

また、ノロウイルスに汚染されたおそれのある二枚貝などは、中心部が85℃から90℃で90秒以上の加熱が望ましいとされています。(mhlw.go.jp)

つまり、アサリはしっかり火を通して食べることが大切です。

酒蒸しや味噌汁では、貝の口が開いたあとも、全体に十分火が通っているか確認しましょう。

口が開かない貝は、無理にこじ開けて食べないほうが安心です。

調理前後の手洗いも大切です。

加熱用の二枚貝を触った手で、サラダや調理済み食品を触ると、交差汚染の原因になることがあります。

厚生労働省も、加熱用の二枚貝を触った後はよく手を洗う必要があるとしています。(mhlw.go.jp)

砂抜きのときも、常温に長く置きすぎないようにしましょう。

暑い季節は特に注意が必要です。

アサリは栄養のある食材ですが、安全に食べてこそ妊活中の味方になります。

生や半生ではなく、しっかり加熱して楽しみましょう。

食べすぎず、食事全体のバランスを整える

アサリは鉄やビタミンB12をとりやすい食品ですが、食べすぎる必要はありません。

妊活中は「これが良い」と聞くと、毎日たくさん食べたくなることがあります。

でも、どんな食品でも、それだけに偏ると食事全体のバランスが崩れます。

アサリだけをたくさん食べても、妊活に必要な栄養が全部そろうわけではありません。

体には、たんぱく質、鉄、亜鉛、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、カルシウム、炭水化物、脂質など、いろいろな栄養が必要です。

アサリは鉄やB12の助けになりますが、葉酸やビタミンC、たんぱく質を十分にとるには、ほかの食品との組み合わせが大切です。

たとえば、アサリの味噌汁に、卵、納豆、ごはん、ブロッコリーを合わせる。

アサリの酒蒸しに、鶏肉や豆腐の副菜、野菜のおかずを足す。

アサリパスタに、サラダやスープを組み合わせる。

こうすると、食事全体が整いやすくなります。

妊産婦のための食生活指針でも、主食、主菜、副菜を基本に、多様な食品から必要な栄養素をバランスよくとることが大切だとされています。(mhlw.go.jp)

また、アサリの佃煮や味つき缶は、鉄を多く含む一方で、味が濃くなりやすい食品です。

食品成分データベースでは、アサリの佃煮100gあたり鉄が19.0mg、亜鉛が2.8mg含まれるとされています。(fooddb.mext.go.jp)

栄養が多いからといって、佃煮をたくさん食べると塩分のとりすぎにつながることがあります。

少量をごはんのおともにするくらいがよいでしょう。

妊活中は、完璧な食事を目指さなくて大丈夫です。

「今日はアサリの味噌汁を足せた」「冷凍アサリでスープを作れた」くらいの小さな積み重ねで十分です。

アサリは、妊娠を約束する魔法の食材ではありません。

でも、鉄やビタミンB12を意識したいときに、食卓を助けてくれる便利な食材です。

安全に加熱し、食べすぎず、いろいろな食品と組み合わせて取り入れていきましょう。